お金の未来

「お金」に対しての考え方はここ最近大きく変わってきている。その要因としてはビットコインや暗号資産など、見えない「お金」が出てきたこと、さらにはそれが投資として、さらには実際に使う「お金」としての共通通貨として認識され始めたことにある。

では新しい通貨や概念が生まれた「お金」にはどのような未来が待っているのか、本書は著者2人の対談をもとに、新しい「お金」の概念と、そこから生まれる未来を描いている。

第1章「お金に何が起きているのか?」

ここ最近では投資市場でも「ビットコイン」や「暗号資産」といったものが出てきており、投資される人も多くいる。かつてはビットコインに関しての騒動が頻発していたが、今は落ち着いている。またビットコインはエルサルバドルでは「法定通貨」として扱われているが、その要因と可能性にも言及している。

第2章「ビットコインとブロックチェーンの革命」

「ブロックチェーン」とは、

仮想通貨の取引において,取引記録を一定時間ごとに暗号化して集積し,鎖のようにつなげた台帳情報をインターネット上で分散的に管理する技術。また,そのように管理される台帳情報。「大辞林 第四版」より

とある。ビットコインもまた「仮想通貨」の一つとして挙げられており、他にもいくつかの仮想通貨が扱われている。この仮想通貨取引とブロックチェーンにおける革命は今ある「お金」の概念に対しての「挑戦状」とも見て取れた。もちろんその「挑戦状」の扱いにしたのはメディアであるのだが。そもそもなぜ「挑戦状」となったのかもこの仮想通貨に関しての「事件」が日本において続いたことが挙げられる。

第3章「大きく盛り上がる「NFT」の世界」

ここ最近取り上げられている「NFT」は、「Non-Fungible Token」の頭文字から取っている。直訳すると「非代替性トークン」と表している。

もう少し噛み砕くと、よくあるお金やここ最近あるフリー素材は「代替性」がある。しかしNFTは「非代替性」とあるため、「替えがきかない」ものである。どのようなものがあるかというと世界で一台しかない車や世界で一枚しかないカードなど、世界でたったひとつしかないようなものがある。よくある絵画の「原画」は非代替性で表しており、「NFTアート」とも呼ばれている。

少し長くなってしまったが、この仮想通貨や暗号資産など、その人の「デジタル資産」を確立させ、希少性を担保することによって価値を引き上げていくものもある。有名なモノとして日本ハムの監督をしているBIGBOSSこと新庄剛志氏は今年の3月にその場にて撮影した写真をNFTとして高くて1000万円で販売する試みもあった。

第4章「お金の未来」

「お金」と言う概念はずっと変わらないように見えて、色々な所で変わってきている。しかしここ最近では「暗号資産」「仮想通貨」「NFT」「ブロックチェーン」などが出てきており、金融でも「分散型金融(DeFi)」が出てきている。お金の周りには新しい概念や要素が出てきており、これから「お金」はどうなっていくかの展望を予測している。

未来は誰にもわからない。しかし今ある変化がどのようなものかを見てみることによって、どのような未来があるのかという展望はわかってくる。本書は「お金」にフォーカスを当てたのだが、実際に「お金」について、先述のように仮想通貨を始め新しい要素が出てきており、飛びつく人も少なくない。もちろん「お金」に対しての考え方も日々刻々と変わっている。変わっていく中で私たちはどのように「お金」と接したら良いか、その考える参考となる一冊と言える。