羊と鋼の森

本書の主人公はピアノの調律師である。高校の時にピアノの調律師と出会い、調律の世界に魅せられ、自らも調律師としての道を歩み始めた。もちろん調律は音に関して打鍵1つ狂いが生じてはいけない世界である。もちろん様々なピアノや人との出会いを通して人間的にも調律され、成長して行く。

私自身、「管理人紹介」でも書いたように中学・高校と吹奏楽、大学はオーケストラと約10年間音楽の世界に関わってきた。その中でピアノに触れることも少なくなかった。

もちろんたまにではあるが、ピアノの調律師もきて、調律している姿も見たことがある。耳一つで細かなズレを聞き分け、調律用のハンマーで調整していく。かなりの集中力にて聴覚と調律ハンマーでコントロールしていく力が求められるため、かなりハードのように見える(もちろん当事者はハードと思っているかも知れないが)。その調律における世界観を細かく描かれており、調律師の醍醐味、つらさがひしひしと伝わる一冊でもあった。