愛じゃないならこれは何

よくある恋愛小説は、胸がときめくような作品が多く見られる。しかし本書は「恋愛小説集」であるが、ある意味「ホラー」のように思えてならない。

愛とは異なるのだが「恋は盲目」と言う言葉がある。本書で収録されている恋愛小説の数々は何とも恋愛に対して違う方向で盲目になっているように思えてならない。恋愛の形はそれぞれであるのだが、その「それぞれ」がかなりぶっ飛ぶ、というよりは原形をとどめないほどねじ曲がっているようなものであり、なおかつ収録されているものの中には「健康的な」と銘打ちながら、端から見ると不健康にも見える描写もある。

そのような様々な恋愛を見ると、人によっては「愛」じゃないと思えてしまうのだが、そのような恋愛を行っている人々からするとまさに本書のタイトルのごとく反論してしまうのではないだろうかと考えてしまう。

「恋愛は人それぞれ」がぶっ飛んだ形で表された短編集だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました