飛石を渡れば

私自身「茶道」のことはよくわからないのだが、その茶道を行う中で「茶室」と呼ばれる所でやる所もあれば、外で行う「野点(のだて)」もある。特に茶室のイメージの中には、躙(にじ)り口に入るまでの中で飛石があるというイメージを持ってしまう。

本書はその茶道にまつわるエピソードを12編取り上げている。ちなみに取り上げられているものとして家族のものもあれば、実際に茶道を体験してのものも描かれている。情景もまたよくある茶道のイメージそのものであり、茶道に使う道具も事細かに描かれている。実際にお茶を点てる描写や礼儀に関しての描写もあるのだが、概ね、茶道に触れる、あるいは思いに耽るというようなものが多く、日常的な描写がメインである。

茶道に関して知らない人でも、専門的な知識はなく、なおかつ自ら茶道の風景を体験できる一冊であり、なおかつ肩を張ることなく物語に入っていくことができる。

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