モチべーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズム

巷の書店にはモチベーションアップに関する本が立ち並んでいる。もちろんネットの記事でもモチベーションが上がる・上がらないといった記事も探すと簡単に出てくるほどである。仕事に限らずプライベートにしても、モチベーションの上げ下げといったものはどうしても重要なものと認識される。

ではそもそも「モチベーション」とはいったいどのようなものか、そしてそれが上がる・下がるにはどのような要因があるのか、本書は心理学的な観点から紐解いている。

第1章「モチベーションとは何か」

本書は根本的な所に入る。そもそも簡単に言うとモチベーションは「動機づけ」や「目的意識」のことを表している。しかしながら昨今では、それに向けて動こうとする「意識」など、マインドの面において使われることが多い。さらに言うとモチベーションは心理面の部分が強く出る。

第2章「モチベーション理論の展開」

よく言われるものの中で「モチベーション=やる気」と言われることもある。もっとも「モチベーションアップ」と言われると、単純に「やる気を出す」のとイコールである。しかしながらやる気をどのように理論付けるべきか、本章では「欲求」や「期待」「価値」といった理論でもって説明している。

第3章「達成と価値―目標説」

モチベーション、もといやる気をつける要素はいくつもあり、本章から第7章まで5つにわけて紹介している。一つ目は「目標」である。自ら、あるいは周囲にて設定された目標に対し、達成するために行動を行い、目標に到達することにより達成感や価値を見いだすと言うものである。

第4章「成功と自尊心―自信説」

またモチベーションとして、行動を起こすことにより、周囲からの期待を受けることもあり、なおかつ成功することによって、自分自身の「自信」につなげることができる説もある。

第5章「学びと発達―成長説」

また行動をすることによって、自らの学びや成長につなげられる事に見いだすことで「モチベーション」へとつながると言ったものもある。特に行動をすることにより、学びや成長を見いだし、没頭したり、集中したりする所も本章にあたる。

第6章「習慣と態度―非意識説」

モチベーションややる気となると「意識」に目が行きがちになるのだが、習慣や態度を変えることによって、より強い行動を起こすような動きもある。よくある「飴と鞭」も本章にある「習慣」「態度」の一つとして挙げられる。

第7章「場とシステム―環境説」

さらには身の回りにある環境を変えることによってモチベーションをつくるというのもある。もっとも「意識」とは離れた部分で変えることによってモチベーションにつなげるというのもあり、なおかつモチベーションややる気に関する本の中にも「環境」を変えることを提示しているのもいくつかある。

モチベーション・やる気はマインドの部分にあたるが、自分自身の意識から身の回りの環境などを変えることでも、モチベーション・やる気は変わってくる。それを考えると本書のように、モチベーションがどのようなメカニズムなのかについて考察を行うことも必要になってくるのではないかとつくづく思ったのだが、体系的に紐解かれており、モチベーションがどのようなものかというのを全部ではないもののある程度よくわかった。