男の愛 たびだちの詩

どうもタイトルを見ると、ある特殊な嗜好を持つ女性たちが群がるような表現になっているのだが、もちろんソッチの傾向はあるにしても、よく「男に男が惚れる」と言う言葉がある。正確に言うと鶴田浩二東海林太郎で有名な「名月赤城山」にある一節にあるものであり、なおかつ「男心に~」となっている。

それがいつしか「男に~」となったのかもしれない。もっともこの「名月赤城山」の赤城山に縁のある人物として、一人は国定忠治、もう一人は本書で取り上げている清水次郎長である。

侠客で知られる清水次郎長は抗争を経ながら幕末から明治維新にかけての期間にて影響を及ぼした人物として知られる。義侠心の強い次郎長に惚れ込み、親交を深めた人物もいたという。その「親交」についてコメディタッチに描いているのが本書である。もっともコメディでありながら、BLの部分もあるため「惚れる」と言う言葉が何か別の意味のように思えてならなかった。