ワンさぶ子の怠惰な冒険

著者の家族が北海道から地元・福井に帰ってからのことを綴った1冊である。5人家族+犬1匹といった構成であるため、様々な出来事が起こってもおかしくない。案の定本書では各月ごとにどのような冒険や出来事があったのか、一つ一つ綴られているのだが、そこには家族と犬との「日常」がありふれている。

著者と夫と子ども三人、そして犬の家族だが、中でも子ども三人がそれぞれ「進学」をしていく。その中での「受験」もあるなど、多くの面の「変化」に直面しながら成長し続けていった。

また著者自身の作家活動についても明かしている、というよりも「さらけ出している」という方が適当かも知れない。作家としての活動をここまで惜しげも無くエッセイにて明かしている本は見たことがないからである。家族としての日常はもちろんのこと、自らの活動を綴っているが、この「日常」の中にある出来事が「冒険」と言えるのかもしれない。