スタートアップファイナンス 起業で失敗しない「おカネ」とのつき合い方

新しいことを始める、あるいは独立して、自分自身のペースで事業を行いたいといった起業(スタートアップ)を行う人は少なくない。もちろん会社や事業を「興す」ため、「準備」が必要になる。中には事業計画を立てて、融資を受ける人もいれば、お金をどのように準備を行っていけばよいのか迷う方々も少なくない。本書はスタートアップにまつわる「お金」の悩みと付き合い方を取り上げている。

第1章「独立・起業したいと思ったら最初に考えるべきこと」

起業をするとなると、特に会社勤めにあった「給料」といった安定的な収入が無くなる。もちろん自分自身で事業を興すのだから、お金を自分自身で面倒を見なければならず、なおかつ事務的なことも含めて自分自身で行わなければならないなど時間も失われて行く。しかしその逆のチャンスもあり、なおかつメリットも存在する。本章では考えるべきメリット・デメリットを網羅している。

第2章「起業前の準備~IT・コンテンツ業界における起業」

起業を行う業界について細々と異なる部分が多いのだが、本章ではあくまでITやコンテンツ事業にフォーカスを当てている。特に会社勤めを行っている方々に対しては退職の仕方から、行うべき事さらには、直面する課題などありとあらゆる側面で準備すべきことや考えるべき事がある。かなり細かく網羅されているため本章でもってある種のToDoリストを作るのも手である。

第3章「スタートアップの事業計画と収支計画の作り方」

会社は毎年事業計画や経営計画などあらゆる「計画」が練られ、発表される。独立・起業を行うと、それも全て自分で行わなくてはならない。「計画はいらない」と思っている人もいるのだが、実際に会社を興す・興さないに限らず、これからどのように事業を進めていくか、どのようなビジネスを構築していくかは非常に大切になる。

第4章「これで失敗しない! 具体的な資金調達法」

特に起業を行う場合に関しては「お金」を必要とすることが多い。これまで貯めてきた自己資金で行う人もいれば、人などから借りる、融資を受けるケースも少なくない。特にこの「資金調達」を行っていく中で、銀行などの団体にて融資を受けるとなると事業計画書などの書類が必要になり、なおかつビジネスモデルや経営ビジョンなど細かい点で作成する必要があり、なおかつその計画書でもってかなり細かい部分まで質問を投げかけられ答えなければならない。かつて放送されていた「マネーの虎」ほどではないのだが、それに近いくらいの詰問が来ることは想定しておいた方が良い。

第5章「起業する前に知っておきたい会計の基本」

本章では主に簿記のところである。学校によっては簿記の授業があり、計算についておっ苦になる人もいる。この簿記こそ、事業を行う、会社を経営するとなるとどうしても見る、あるいは作らなければならない書類になる。その会計の基本を本章にて取り上げているが、できれば会計の入門書も一読しておいた方が良い。

第6章「スタートアップの税金における天国と地獄」

会計だけで無く、「税金」もまた支払などが必要になる。特に事業を興すとなると様々な「届出」が必要になり、毎年書類の提出や税金の支払いが求められる。税金もまた会計に直結する部分であり、売上などに応じて支払わなければならないため、本章も含め、今度は税務についての入門書も持っておくと良い。

起業や独立など新しいチャレンジには夢と希望がいっぱい詰まっている。しかし夢や希望ばかりで無く、準備すべきこと、考えるべき事は沢山あり、一つ一つ行っていくと会社勤めになると会社の経理や総務などが任せてくれているありがたみがよくわかる。しかし一つ一つ準備し、行っていくことによって逆に会社や事業が何たるかがわかり、それをもってこれからのビジネスを行っていく行動ばかりで無い。本書はあくまで起業を行うためのノウハウだが、起業を行っていく上でやるべきことを見つけ、行っていく覚悟を持つことができる。