不安が覚悟に変わる 心を鍛える技術

一昔前では「精神論」「根性論」で鍛えたり、指導したりするといったことが横行していた。そのことがスパルタ教育にとなり、なおかつ悪しき風習につながったため、見直す、あるいは違う理論で行う動きも見られるようになった。

とはいえ技術的なことばかり教えるだけでも、メンタルの面をどうするかという「壁」に直面する。とくに実行を行うためにも「不安」と言う言葉はどうしてもつきまとう。そこで本書である。本書は持っている「不安」をいかにして「覚悟」に変えて、心を鍛えていけば良いかを伝授している。

第1章「科学的に「不安」と「ストレス」から解放される」

行動を起こさせる、あるいは行動を加速するにしても、ある程度「メンタル」は必要である。「頑張れ」といったことばよりも、どのように背中を動かしていくべきなのか、そして「不安」というブロックを取り去り、「覚悟」というエンジンに転じていくのか、「科学」の観点から紐解いている。

第2章「思い通りに生きることを妨げる「偽りの自分」を知る」

「自分」とひとえに言っても、現実に生きている自分がある一方で、自分自身の妄想としてある「偽りの自分」、つまりは思い通りに行くだろうと思っている「自分」の姿がある。しかし現実は思い通りに行かず、それが自分自身を騙してしまい、行動を妨げてしまう要因にもなる。それをいかにして取り去っていくか以前に、どのように偽りの自分がいることを「知る」のかを取り上げている。

第3章「「偽りの自分」から脱出する」

「偽りの自分」は理想の「自分」である一方で、そのギャップに苦しみ行動の妨げとなる要因にもなる。今の自分をいかにして脱出し、今の自分をありのままに受け止めて、行動に持っていけば良いのか、「劣等感」「後回し」「人見知り」「優柔不断」などの要素の理由を分析しながら脱する方法をそれぞれ伝授している。

第4章「心を強くして人生の主導権を自分に取り戻す」

心を強くするといっても、相手に勝つと言うイメージがある。「勝つ」ことは間違いないのだが、自分と異なる相手ではなく、「偽りの自分」に「勝つ」と言った方が正しい。自分自身の人生なのだから、意識の中にある「偽り」に振り回されず、いかにして自分を取り戻す考え方を持てば良いのかの「思考法」や「ルールづくり」などが本章にて網羅している。

第5章「不安を覚悟に変えて「本当の自分」で生きる」

誰にも「不安」は存在する。その不安をいかにして「覚悟」に変えて、行動を起こせるようにし、自分自身を引き上げていくかによって人生は大きく変わってくる。

仕事にしても、スポーツにしても「メンタル」はどうしても密接に関わってくる。とはいえ根性論で「頑張る」だけではうまくいかない。メンタルをいかにして強くしていくか。本書では「偽りの自分」ととらえていたのだが、自分自身にある「弱さ」や「驕り」など悪い部分が全て「偽り」と捉えていくこと、そしてとらえながらいかに脱したら良いのかがよくわかる。何でも「うまくいかない」人やメンタルの部分に弱さのある人にとっては本書でもって「自分」を見つめ直すことができる。

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