これはミステリではない

小説のカテゴリーはいくつかあるのだが、その中で有名なものに「ミステリー」がある。特に警察や社会的な作品、さらにはホテルなどの密室殺人などの事件を「ミステリー」と定義づけられるのだが、辞書で調べてみると、

1.神秘。不思議。霊妙。
2.聖史劇。
3.推理小説。「広辞苑 第七版」より

とある。特に3.が小説の面で該当する。

しかし本書の著者はミステリー作家でありながら、なぜ本書のタイトルを銘打ったのか。もちろん中身は「ミステリー」らしからぬような展開がほとんどである。もっとも読者に対して、さらには著者自身に対しての「挑戦」という側面が強く、「本当にこれがミステリーと言えるのかどうか」という問いを投げかけた物語である。誰しもが面白いと言える本もまた小説であるのだが、本書は「万人受け」を良しとしていない部分があるため好き嫌いは激しい。しかしそもそもミステリーとは何かを考えるには本書は良いかも知れない。

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