仮想空間シフト

ここ最近「メタバース」と呼ばれる概念が出てきており、国内外の企業問わず、事業に乗り出している。さらにコロナ禍により、ステイホームを始め、自宅の中で行う、あるいはZoomなどのアプリを利用する他に、仮想空間を利用して交流を行う動きもあった。特にコロナが流行しだしたときに「あつまれ どうぶつの森(通称:あつ森)」が流行し、通常の交流のみならず、結婚式やオフ会などの交流の幅が広がり、こちらも「メタバース」とまではいかないが、それに似たことが起こった。

あつ森をきっかけかどうかは不明だがメタバースの概念が生まれ、動きを見せており、実際にメタバースの体験を行うことまでできるようになった。本書はメタバースを中心に仕事やプライベートが「仮想空間」にてどのようにシフトしていくのかを対談にてあぶり出している。

第一章「仕事が変わると暮らしが変わる」

コロナ禍が始まったことにより、仕事のあり方も大きく変わっていった。これまでゆっくりながら進められてきた「テレワーク化」が急速に進んでいった。自宅で仕事を行う人もいれば、コワーキングスペースまでもつくられるようになり、「仕事をするために会社に行く」という概念が薄れてきた。

また現在になってくるとテレワークと出勤とを併用する企業や、完全出勤を行う企業もありテレワークをつづけるかどうかも企業によって変わってくる。またそのことも含めて、本章では「オーケストラ」から「ジャズ」に変わったと主張している。

第二章「人間と社会が変わる」

メタバースをはじめとした「仮想空間」ができたことにより、社会や人間関係、さらには人間そのものも変わることを主張しているが、仕事における考え方はもちろんのこと、人間関係や社会における「空気」などにも影響を及ぼしている。

第三章「人生が変わる」

仮想空間ができたことにより、考えられる部分があるとしたら「地域」などの「距離」がなくなる所がある。そのために人間関係にも変化が起こり、なおかつそれらの変化が人生そのものに影響を及ぼすことになる。他にも趣味や家族との時間が中心となる「ライフワーク」と、仕事が中心となる「ライスワーク」との兼ね合いがどのように変わるのかも言及している。

第四章「国家や行政が変わる」

仮想空間は「距離」はもちろんのこと「境界」もなくなっていく。日本における都道府県・市町村はもちろんのこと、国の概念もなくなるのではという意見もある。そこまではいかなくても、ある種「国家」や「行政」のあり方は変わる部分があるという。どのような仮想空間をつくることによって、変化が生じていくのかを取り上げている。

第五章「これからの世界を生き抜く10のアクション」

時代は変化する。その変化に対して対応していくことも必要だが、それだけでなく仕事や人生の両面で「生き抜く」ためにどうしたら良いか、本章では10のアクションにして伝授している。

仮想空間にシフトできるものもあれば、できないものは確かにある。しかしできるものの中にはすでにシフトしつつあるものもあれば、これから行われるものもある。その「これから」の部分が本書にて解き明かしている。