五つの季節に探偵は

人間には感情や理性の他に、「心」がある。しかしこの「心」が厄介で、表に出てくる心境もあれば、誰にも悟られることのない心の「闇」の部分もある。その「闇」の中に、隠された「本性」がある。

その「本性」を暴かずにいられないとある探偵が16年の長い月日の中で5つの事件と出会った。それぞれ春夏秋冬、そしてもう1つの春と合計5つの季節で以て描かれた短編集である。

一番古いものとして2002年春、そこから2007年夏、2009年秋、2012年冬、最後に2018年春とそれぞれの時代背景もしっかりと描けている。またその時代の当事者たちの心情がこれでもかというぐらいに抉り出しており、事件を謎解きをさらに面白くさせるタッチで描かれている。先述のそれぞれの年・季節における事件を描いた短編集であるが、探偵は全編一緒である。そう考えると、16年もの間にある「変化」が探偵にも表れているため、謎解きと同時に、探偵の「変化」も興味深く読める一冊と言える。

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