光をえがく人

もしもあなたが気分が沈む、あるいはネガティブな状況に陥ったときに何を行うか。音楽を聴く、本を読む、飲食をするなど方法は沢山あるのだが、中にはアートに触れると言うのもまた心洗われ、ネガティブな気持ちから解放されると言う人もいる。

本書はそのような人たちを描いた短編集であるのだが、それぞれの境遇の中にある「アート」、そして触れることによってもたらされる効果が見て取れる。もっともアート自体は論理では無く、描く側はもちろんのこと、観る側もまた「感覚」に委ねられる。いずれの所でも、心洗われる「感覚」に合致していっているような気がしてならない。

アートをよく知っている方はもちろんのこと、アートに興味がない方でも、本書の物語を読んでいくと「アート」がなぜ必要なのかがよくわかる。