余命3000文字

本書は表題作を含めて、数多くの作品を収録しているショートショート集である。特に冒頭の「余命3000文字」は文字数もカウントされており、なおかつ3000文字の中で物語を見事に描かれている所に驚きがあった。また他にも「彼氏がサバ缶になった」などナンセンスのものから、「食べログ1.8のラーメン屋」などリアリティがあるようでいて、風刺が効いている作品(むしろ小噺というべきか)まで収録されている。

小説になってくると、様々な種類があり、本書のようにショートショートのものもあれば、数十ページをいくつか構成する短編集もある。さらには1冊まるごとの長編もある。もちろん読み手それぞれ適しているものがあるかもしれないが、あまり小説に触れない方であれば、本書はかなり適している。1編で数ページだけであるが、それだけでも物語になっており、なおかつあらゆる方向のものもあるなど、飽きさせない構成になっている。

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