群青の魚

本書は2人の若き警察官が、特養老人ホームで入所者が殺害された事件を追っている。なぜ本書のタイトルは、冒頭にて言及しているが、

生ける魚は水流に逆らって游(およ)ぎ、死せる魚は水流とともに流る「内村鑑三全集15」p.81より

から来ているようである。この中にある「水流」こそが本書である「警察」「社会」そのものの縮図を映し出している。

事件の謎を紐解くために警察官は動くのだが、特養老人ホームの事情、社会の事情、また警察官の所属する「警察」そのものの事情が入り交じり、事件の謎をさらに複雑化させる。しかも謎解きについてもこの「水流」の流れが変わるかのような障害が立ちはだかり、なかなか進まない所も起こる。しかし事件を解決するために正義感を燃やす警察官たちが「逆らって游ぐ」姿が先の言葉にあてはまるかのような印象が強く残る一冊であった。

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