ルポ 女性用風俗

「性産業」と呼ばれる業界があるのだが、ビデオはもちろんのことソープやヘルスといった「性風俗」と呼ばれる世界がある。イメージが強いものとして男性を対象にしていた。

しかしながら「性風俗(フーゾク)」をはじめとした「性産業」もまた「女性向け」と呼ばれるものがあり、本書では「女性」を対象にした「女性用風俗」なるものと、その利用者の現状などを取り上げている。

第一章「処女と女性用風俗」

女性用風俗は少ないようなイメージだったのだが、けっこう多くあり、

大手女性用風俗情報サイト「Kai-kan」には、3000人を超えるセラピストが登録し、200を超える店舗がひしめき合う。p.7より

とある。そこにて利用する女性も後を絶たない。結婚や恋愛だけでなく、「性」のあり方も多様化しているのも一因としてある。

本章では30代になっても女性として自信を持つことができない、経験していない人が風俗に通ったことによる「変化」を取り上げている。

第二章「妻として母としての人生を満たされない欲望」

独身ばかりでは無く、夫子持ちの女性もまた風俗にはまる人もいる。同じ年代のセラピスト(男性用風俗で言う所の「キャスト」「コンパニオン」などのことを指す)を指名して、疑似恋愛にはまる、あるいは子育てや妻としての役割に疲れた癒やしの場として、さらには「自由」を求めて利用する人もいる。

第三章「女風を提供する人びとの思い」

本章のタイトルにある「女風」は「女性用風俗」を略したものである。その女性用風俗をつくり、オーナーを務める人はなぜ女性用風俗をつくったのか、その真意を取り上げている。

第四章「セラピストたちの思い」

女性用風俗で働く男性、いわゆる「セラピスト」たちは、どのような経緯でセラピストになり、なおかつ女性用風俗のこれからについてをインタビューにして表している。

ここ最近女性用風俗が増えてきていることは驚きであったのだが、そもそも「男女平等」が浸透している今、「男性用~」もあれば「女性用~」があってもおかしくない。しかし女性用風俗はイメージでしか無かったのだが、その「現実」を知る機会はほとんどなかった。本書は女性用風俗の「今」がよくわかる一冊である。

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