永遠の仮眠

本書の中身に入っていく前に、本書の著者の話を行う必要がある。著者は小説家としてのデビュー作が本書であるのだが、そもそも著者自身が昨今のJ-POP歌謡曲などのプロデューサー、さらには作詞・作曲家、音楽評論など、音楽畑で長らく活躍を行ってきた。その著者が初めて音楽以外の分野にて「小説」として刊行した。

ちなみに本書は著者の音楽人生の部分の中で描いた一冊である。よくテレビドラマにも「主題歌」があり、その主題歌によっては視聴率も左右され、歌い手もまた代表曲になることも往々にしてある。その主題歌制作にまつわる、音楽・ドラマのプロデューサー、歌手などが入り交じる。しかしその入り交じった中で未曾有の危機が巡るという一冊である。

もっとも音楽業界の裏側もとい、ドラマの主題歌制作の「裏側」と言うのを克明に描かれていた所が興味深く、フィクションであるにもかかわらず、リアルではないかとまで錯覚してしまうほどであった。著者の小説家としての続編があるとするならば音楽業界にまつわる「リアル」に近い内容が描かれると面白いかもしれない。