こういう旅はもう二度としないだろう

コロナ禍によって長らく旅ができなかった方々は、昨今行われている「全国旅行支援」を利用して、旅をされている人もいることだろう。もっとも旅行支援のクーポンが完売している所が続出しており、旅行会社もてんてこ舞いの状況だと聞く。

かくいう私はと言うと旅に対しての「憧れ」はあるのだが、なかなか腰が重く、旅行らしい旅行はほとんど行ったことが無い。旅行に行きたい「願望」があるのだが、仕事もあれば、お金の面、とりわけ「時間」の面で行く踏ん切りがつかないというのが私の悲しい実情である。

そんな私が擬似的に仕事もあれば旅行の気分を味わうものとして本書の様に旅にまつわるエッセイなどを読むことで、その欲求を満たすようにしている。本書は作詞家である著者がベトナム・ニュージーランド・スリランカ・インド・イタリアと旅したものをエッセイにしている。「二度としないだろう」という意味。もちろん年齢の部分もあり、「旅」ができる機会は一体どれだけあるのかという思いから名付けたのかもしれない。