ぼくたちが 知っておきたい生理のこと

男女には明らかな違いがあるが、その「違い」を理解できず、時として「ハラスメント」になるケースも少なくない。またそのことによって亀裂も生じることがある。

この「違い」の一つとして「生理」がある。女性の場合は必ず存在するものがあり、その時期になってくると個人差はあるものの、耐えがたい「生理痛」に苦しむことも少なくない。本書は「生理」について男性が理解できるようにつくられている。

第1章「ぼくたちと生理の微妙な距離感」

「生理」について情報発信を行う所も出てきてはいるのだが、まだ「足りない」と言うほかない状況にある。そのような状況の中でどのように「足りない」理解を埋めていくのかを取り上げている。

第2章「生理は「痛い」のか?」

そもそも「生理痛」とはどのような「痛み」なのか。男性からして見ると「つらい」ほど痛いと言う言葉は文字を通してわかるのだが、感覚的にどのようなものなのかは全くわからない。著者の一人の観点ではあるのだが、本章ではどれくらいなのかがよくわかる。

第3章「そもそも生理はなぜ起こる?」

なぜ「生理」が起こるのか。そして生理の際に「血」が出るのはなぜか、また「生理」の時期はいつ頃で、どれくらいの期間悩まされるのかなどが本章の中心となっている。

第4章「メンタルの不調は生理前からはじまっていた!」

「生理」においてメンタルの不調を生じることはよく知られているのだが、実際には生理が生じる前に不調がある。もっともメンタルの不調の度合いも「生理前」と「生理中」とで異なる部分があるという。

第5章「不毛なコミュニケーショントラブルを避けるには」

「生理」についてある程度は理解していても、「理解したつもり」になってしまう。そして伝えようとすると、内容によっては「ハラスメント」と相手に捉えられてしまうこともある。生理における男女のコミュニケーションはどうあるべきかを対談の中で取り上げている。

第6章「誰もが迎える更年期と閉経」

「更年期」はだいたい40~50代にかけてであるが、そのなかで女性は「閉経」と呼ばれる時期がある。その時には「怒りっぽい」というようなこともあるのだが、それでは済まされないようなこともあるのだという。

第7章「みんなが生きやすい社会へ そのためにできること」

「理解」をすることは難しい。しかし少しでも「理解」に近づけさせることはできる。その上で「生理」についてどのように伝え、理解を深めていくことが求められるのか、本章では提言を行っている。

「生理」について男女の認識の違いはどうしても存在する。しかしその「違い」をどのように埋め合わせ、互いに理解できるのか。その溝を知り、かつ相互理解を行っていけば良いのか、わかると言うよりも「考えるきっかけ」をもたらす一冊と言っても過言ではない。