サクッとわかるビジネス教養 野球の経済学

先日侍JAPANがWBCを優勝したことで話題となりました。WBCの熱も冷めやらぬ間に、プロ野球も開幕します。オリックスの日本一に輝いた昨シーズンからシーズンオフ、さらにキャンプ、オープン戦を経て、どのような試合を見せてくれるのか、楽しみです(特に日本ハムはどうなのかも含めて…)。

所変わって近頃は物価高など経済の影響もあります。野球と経済といきなり話してどうしたのかと思いがちになりますが、そこから本書の話に入ります。野球の世界はプロ野球選手の年俸はもちろんのこと、球団も株式会社であるため、コスト・収入、さらには配信や観客動員などお金にまつわることがいっぱいあります。本書はその話を取り上げています。

第1章「プロ野球選手の支出と収入」

毎年秋から翌年の始めに書けてスポーツ新聞・ニュースなどで話題となるのが選手の契約更改、中には交渉も拗れてしまい、「戦闘」ならぬ『銭闘』に入るケースも少なくありません。かつてはこの銭闘を巡りブチギレする場面もありました。(今では「下交渉」などがあり、そういうことが起こることは滅多にありませんが)

プロ野球選手にも生活があるのですが、それだけでなく、金銭面での費用(もちろん生活費も含む)や税金もかかることから必死になって交渉していくわけです。

この契約更改にまつわる収入を含めプロ野球選手の育成選手、さらには社会人野球や海外リーグの収入などを本章では列挙しています。

第2章「球団組織と財務」

「球団組織」は冒頭でも取り上げた通り、球団自体が株式会社として運営しています。もちろんそこには「親会社」が存在することがほとんどです。球団組織は選手・監督を含め、球団職員など様々な人がおり、底にかかるコスト・利益もあります。その財務事情を本章にて明かしています。

第3章「球場所有のコストと収入」

球団が「球場」を所有するケースも少なくありません。しかしその「球場」自体も維持費はもちろんのこと、試合が行われるにあたってのチケット収入などがあります。しかもチケット収入となると、観戦を行う際の「チケット」の料金、高いと思う方も少なくありません。しかしそこにも理由があるようです。

第4章「フィールドマネジメント」

球団組織や球場、それをマネジメントを行う方々、いわゆる球団社長やオーナーと呼ばれている方々であり、「フロント」と呼ばれる方々です。その方々はどのような運営を行っていくのか、金銭的な観点も含めて言及しています。

第5章「マーケティングによる経済効果」

球団組織を運営するわけですから、選手が活躍し、なおかつ売上も上げていかないと行けません。そのために球団としての「マーケティング」を行っていくのですが、どのようなマーケティングを行い、なおかつどのような経済効果を生み出しているのかを本章にて取り上げています。

第6章「NPBとMLBの違い」

単純に言えば日本とアメリカの違い、と言えばそれまでです。しかしながら球団組織はもちろんのこと、市場規模、さらには選手の扱いや、プロ野球の放送を行う際の「放映権」に至るまでいくつもの「違い」があります。本章ではNPBとMLBの「違い」を多角的に取り上げています。

第7章「これからのビジネスモデル」

当然ビジネスを行うわけですから、ビジネスモデルも日々進化を遂げる必要があります。技術的にも5Gが広まること、さらには「ボールパーク化」という一種のアミューズメント化が進むとも言われているなど、今後の展望について語られています。

まとめ

2023年シーズンが始まるプロ野球ですが、そもそもプロ野球にも「経済」があり、どのような仕組みで動いているのかがよくわかる一冊です。しかも経済についてよくわからない方々の為に絵などを多用しつつ、なおかつどのような場面で「経済」が動くのかもわかりやすく書かれているのも特徴です。

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