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シリーズ企画

シリーズ「『貞観政要』を読む」~1.はじめに~

中国大陸の古典作品には「論語」や「孟子」「老子」「韓非子」などが挙げられます。とりわけ「論語」はビジネス書としても数多く挙げられており、もはやビジネス古典のスタンダードとして挙げられることが多いです。著名な経営者の多くは「論語」を中心とした経営理論を構築させている方も少なくありません。 では、今回から取り上げる「貞観政要(じょうがんせいよう)」はどうでしょうか。 その名前自体知る人は少なく、中国大 […]

1968年―― 反乱のグローバリズム

「1968年」 この年は世界中で「激動」と呼ばれる年であり、先進国では「冷戦」の絶頂期といえる年であった。その年は世界中でいろいろな革命や運動が起こり、それぞれで混乱に陥れられた時代と言える。 日本では「大学紛争」や「全共闘運動」を発端とした抗議運動や紛争が起こり、新左翼による事件もいくつか起こった。こちらについては昨年夏に取り上げたシリーズ「1968年を知らない人の『1968』が詳しい。 本書は […]

日本の難点

シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」最後は日本そのものについてである。 人には長所や短所もあれば、「難点」が存在する。それは日本という一つの「国家」にも同じことが言える。その難点はいったいどのようなものなのだろうか。本書では「コミュニケーション・メディア」「教育」「幸福」「米国」「日本」のそれぞれのカテゴリーに分け「現状→背景→処方箋」という順序で考察を行っている。 第一章「人間関係はどうな […]

サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在

シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」第6弾はサブカルチャーである。これまで社会にまつわることばかり取り上げてきたのだが、今回ほど私が取り上げたいものはない。宮台氏は社会学者であるが、サブカルチャーにまつわる言及も多い。 その言及の源流を探るべく、1992年~1993年に「アクロス」という雑誌で連載されたものから2007年版に加筆された本書をみてみることとする。 第1章「少女メディアのコミュニ […]

原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖セヨ!」第5弾は「原発」である。昨今では「脱原発」の風潮が強く、衆議員総選挙における各党のマニフェストをみても「異口同音」ながらも同じような声明を出している。 いずれは「原発」から脱し、自然エネルギーの開発を模索すべきであるが、その「原発」から脱すること、そして電力独占や官僚支配からいかに脱するかを前大阪市特別顧問の飯田哲也との対談で解き明かしている。 1章「それ […]

格差社会という不幸

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第4弾は昨今話題となった「格差社会」である。数年前からずっと「格差」という言葉が乱舞していたのだが、それがもっとも叫ばれたのが2007・8年頃、ちょうど小林多喜二の「蟹工船」が超訳版や漫画版として出てきたころである。 本書が出たのはもっとも叫ばれてから1・2年後、「リーマン・ショック」を発端とした急速な景気減速により、「派遣切り」や「貧困」が台頭してきた時代 […]

幸福論―“共生”の不可能と不可避について

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」の第3弾は幸福論である。昨日までは就活や入門といったものが中心であり、「社会学」において素人であっても取っつきやすい作品を選んできたが、ここからは少し取っつきにくくなる。社会における「幸福」とはいったい何なのか、それは個人的な価値観それぞれであるが、そもそも「幸福」は誰しも手に入れられるのか、いかにして「幸福」を感じられるのか、本書では3人の社会学者が「鼎談 […]

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第2弾は社会学そのものである。 これまで自分自身も「社会学」に関する本を読み、書評を行った。「社会学」は現在ある身近な「社会」について考察を行っているのだが、その「社会学」としての歴史とともに考察を行っているため取っつきにくい点も多い。 しかし本書のタイトルに「14歳からの」と冠しているだけに、現在の社会を中心にどのようなものかを知るために、専門用語を原状に […]

宮台教授の就活原論

これまで社会にまつわる本は多数書評してきた。しかし本書の著者である社会学者の宮台真司氏の本については偶然なのか不明だが一度も書評をしていなかった。かねてから社会学博士の宮台真司についての本を書評しようと思っていた。そこで「シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」」と題して、これまで宮台真司の著作をもとに宮台氏の思考経路を解剖していこうと考え、1週間にわたって宮台氏の著作を書評していこうと思う。 […]

アメリカ 1968 – 混乱・変革・分裂

1968年は20世紀の中で「もっとも激動の一年」の一つであった。8月に小熊英二の「1968」を一週間にわたって取り上げたが、そこでは学生紛争や新左翼を中心とした日本における激動の時代を取り上げた。 さて、本書は日本から離れたアメリカの「1968」はどのような年であったのか、というとオリンピックイヤーであったのだが、その一方でアメリカに蔓延っていた「人種差別」が大きく取り上げられた時代であったことを […]