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哲学

地上にて

著者の「草風夏五郎」という名前自体聞いたことがない人が多いだろう。 しかし「辻内智貴」という名前であれば聞いたことがある人はいるだろう。 実は本書は辻内智貴氏が昔の筆名「草風夏五郎」という名で徒然に書いた、架空の講演録である。 今から20年ほど前、ちょうど平成になって間もない時から書き始めたものである。 本書の前書きには担当編集者が書いており、本書の原稿、20年前に書いた原稿なのでセピア色に変色し […]

七田眞の人間学 いかに生きるか

「右脳式教育」として知られ、数多くの著書を出された七田眞氏が4月22日に亡くなった。79歳である。 自己啓発の本を全部で150冊刊行されており、右脳に特化した教育として国内外から注目を集めた(その一方で科学的かという批判はあったのだが)。 本書は七田氏の生い立ちから、人間の生き方はどうあるべきかについて提唱している。一昨年出版されたのだが、七田氏の集大成としてはうってつけの一冊だと私は考える。 第 […]

できる大人の“一筆添える”技術

今やパソコンやメールといったものが中心となっている時代である。パソコンが誕生し、インターネットが庶民の間で急速に普及しだしてから、メールという文化によって世の中は便利になった。 同時に昔からあった「手紙」などの「肉筆」の文化が荒廃の足音が聞こえ始めてきたように思える。 しかし、そういった時代だからでこそ「文章」や「手紙」といった手間のかかるものが重宝される時代なのではないだろうか。 本書はパソコン […]

化粧と人間―規格化された身体からの脱出

もはや「化粧」は女性にとって欠かせないものとなり、小学生でも化粧をするようになった。「化粧術」といった本やセミナーといったものは至る所で行っている。もはや生活の一部となっている化粧をどのようにして教育するべきか、どう教えるべきなのかの必要性を説いた一冊が本書である。ちなみに本書を出版されるまでに相当な思いがあるという。それは最後に書こうと思う。 第1章「化粧は日本の社会でどんな意味を担ってきたか」 […]

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める

「気持ちの整理」というのは仕事をやっていくことだけではなく、ありとあらゆる場でも大切なことではあるが、いかんせん気持ちの切り替えというのはどうすればいいのかわからないという人も結構いることだろう(私も以前はその一人だった)。 本書は脳を中心とした気持ちの整理術ということについて伝授した一冊である…と言いたいところだが、身体の運動も脳の命令により動くとなると「気持ちの整理術」だけでいいかと思ってしま […]

知識だけあるバカになるな!

本書のタイトルを見るなり、自分の胸に突き刺さるものである。 書評をはじめて2年になるのだが知識しか身についていないかというと、そうではないと言いたいのだが、言い切れない部分も少なからずある。 本書はそんな自分を反省し、これからどのようにして「知」を活かしていくのかという方法を解き明かしている一冊である。 第1章「疑うことから知の方法は始まるが、「正しく疑う」ことの難しさについて」 「疑う」というと […]

回復力~失敗からの復活

「失敗学」で有名な畑村洋太郎氏の一冊である。失敗の後にはどのようにして立ち直り、回復していけばいいのかという観点からして、これぞ「失敗学」という真髄を見せてくれる一冊である。 第1章「人は誰でもうつになる」 いまや日本の社会は「ストレス社会」といわれるほどになった。ひとつの失敗でも神経質になり、それが起こってしまうと精神が崩壊するまで詰られる。本章では著者自身が見聞した話であるが、まさにそのとおり […]

感じる道徳―感情の現象学的倫理学

道徳というのは授業で「覚える」、「考える」のではなく、感性によって「感じる」ことにスポットを当てているのが本書の狙いである。タイトルからしてインパクトがあるのだが、感情における「道徳」や「倫理」を考察するというのが斬新で面白い。そもそも「道徳」や「倫理」は理性から来るものであり、自分自身の奥底にある(動物的)感情から「道徳」というのは生まれないと思ったからである。 本書は三部構成ではあるが章建てが […]

自然と人間―哲学からのアプローチ

科学や経済の進歩によりモノが豊かになり、生活も便利になった。しかし人間として生きていくにあたり、肝心の「心」が失っているように思えるのは私だけであろうか。科学や工業の発展の反面、森林伐採により自然が失われている。「21世紀は「心」の世紀」であり「「環境」の世紀」だろう。その時にこそこういった哲学のアプローチというのが必要不可欠になる。本書は哲学、特に自然哲学を交えながら自然について、哲学史の感じで […]

愛され力―本当のあなたはもっと愛される。

まず先に断わっておくが、本書は女性が「愛されるため」にどうすればいいのかというのを伝授している一冊である。男性の立場から見て本書は役に立たないのかというとそうではない。むしろ女性がどのような方法であれば愛されるのと裏かえしのように男性にも「愛される」ためのヒントが隠されている。 1章「愛される理由を知ってますか」 「男の優しさには真実(まごころ)があり、女の優しさには利己主義(おまえ)しかない…」 […]