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時代

老侍

兵士というと、若い人をイメージするのかもしれないのだが、老人が兵士や戦士として戦場に赴くと言うシーンもある。実際に老兵の中にも大きな活躍をする人物もいるほどである。 本書は短編集であるが、いずれも老兵たちの活躍を描いている。その老兵は6人。方や一向一揆を迎え撃つため、息子らの敵を討つため、軍師として重要な戦いを指揮するため、息子の謀反に対抗するためと様々である。 老境となると、身体的な能力は落ちて […]

天下取(てんかとり)

天下を狙うために戦うのは何も武士といった男立ちばかりではない。政略結婚の中で、相手に嫁ぐという女の戦いがある。戦国時代における女の戦いというと、多くの作品としてくノ一といった女の忍者、さらには大名の側室などを表す「大奥」と言ったものが挙げられるのだが、本書はまさに大名の娘、いわゆる「姫」にあたるような人々の「戦い」である。 戦国時代に限らず、かつて武士や貴族などの上流階級における「結婚」は政治的な […]

項羽と劉邦、あと田中

「項羽と劉邦」とは、中国大陸において紀元前200年代に起こった「楚漢戦争(そかんせんそう)」を表しており、秦王朝を滅ぼした項羽(項籍)が、自ら「西楚の覇王」と名乗り「楚」を都にした国をつくった。一方の劉邦は漢王となったが、その2つを中心とした戦争が「楚漢戦争」である。当初は項羽が優勢だったのだが、劉邦が立て直し、項羽を破ったという戦争である。最終的に項羽が劣勢に立たされ、なおかつ敵対するものに囲ま […]

将軍家康の女影武者

様々な時代の中で愛する人・国のために闘う女性がおり、なおかつ創作でありながらも、それを描く作品も数多くある。本書は戦国から江戸時代初期にかけて活躍したある側室の女性を中心とした物語である。 その主人公は卯乃とあるが、史実では「英勝院」がこの人物にあたる。通称は「梶(八)」と呼ばれ、史料にも「梶」と呼ばれることが多々あった。また本書の表紙には戦の甲冑を着た女性の姿であるのだが、実際に関ヶ原の戦いや大 […]

鬼憑き十兵衛

父の仇を討つために自ら鬼が取り憑いたように復讐の旅と闘いを行っていった。その道中で出会った僧、実は本物の「鬼」だった。 本書はファンタジー伝奇小説なのだが、実際に観てみると時代小説の雰囲気がして成らない。しかも本書の舞台の雰囲気からして戦国時代を彷彿とさせる。しかし物語の中には奇怪たるような表現や物質などがあり、史実はある程度まぶしながら取り上げられていることから、時代小説のようでいて、実はファン […]

歌え、汝龍たりし日々を 始皇帝紀

時は「三国志」と呼ばれるような戦国時代だった。その戦国時代から中国大陸全土を統一し、初代の皇帝となったのが「秦の始皇帝」と呼ばれる人物である。 その始皇帝は人質の子として生まれ、死と隣り合わせの人生を送ったが、そこから王位を引き継いだが、冒頭にも述べたように戦国時代の真っ只中にあった。そこから統一を行い、皇帝としての覇道を突き進みはじめた。 歴史的な史実として議論の的になることが多くあるのだが、始 […]

月虹の夜市

「あやかし(妖)」の話というと怖さがあるのだが、ここ最近読むあやかしの話はなぜか心温まる作品が多くある。もっとも手に取っているの私なので、それを好いている傾向なのかもしれない。同じ著者で数年前に「恋する狐」を取り上げたのもそのせいかもしれない。 それはさておき、本書は「恋する狐」と同じく江戸時代におけるあやかしの話である。舞台は浅草川と呼ばれるところであり、その川辺にある船宿で女将として切り盛りし […]

源匣記 獲生伝

目の前で両親を失ってしまったとある少年が、殺された敵を復讐するために立ち上がった。しかしその立ち上がった旅の中で、とある小さな「匣(はこ)」を賊から略奪したのだが、その「匣」には人智を超える力を宿していた。 そしてその復讐の相手も「匣」を持っており、やがて大きな「大戦」へと進んでゆくこととなる。 本書は「日華融合ファンタジー大戦」とあるのだが、確かにファンタジー的な要素はある。大戦にしても古代中国 […]

火神子 天孫に抗いし者

時は弥生時代、卑弥呼と呼ばれる女性が当時の倭国の女王として君臨をした。本書はその卑弥呼が即位する前の時代から始まる。登美毘古と呼ばれる男性の王が即位して長らく安泰であったのだが、その時代もやがて終わりを迎える。実弟が何者かに殺害され、そこから戦いが繰り広げられた。その戦いは新たな国を建てるための戦争であり、戦争により多くの血が流れることが長らく続いた。 大王登美毘古は王家の血を絶やさないために一人 […]

元禄お犬姫

犬と人間の関係は密接であるのだが、その中でも良くも悪くも有名になったのは、江戸時代、五代将軍徳川綱吉の「生類憐みの令」である。その生類憐みの令は犬に限らず、猫や魚、さらには虫などあらゆる動物に対して保護を行うと言った法令であったが、その法令により徳川綱吉への評価を下げた一因にもなった。諸説はあるものの、犬を保護するための言われており、綱吉自身も「犬公方(いぬくぼう)」と呼ばれたほどである。 それは […]