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青春

さよならクリームソーダ

クリームソーダというと甘ったるい印象が強く、私自身成人になってからはめったに飲むことはない(とはいえ同じくらい甘ったるいガラナは好きであるのだが)。もちろんクリームソーダに喩えられるほど、恋愛が甘かったり、青春を謳歌しているという要素として出されることがある。 本書はその甘い恋愛と炭酸ならではの刺激が入り交じった印象が強くあった。もちろん恋愛小説であるのだが、その恋愛模様がまさに「クリームソーダ」 […]

ハオスフラウ

アメリカとスイス、そしてドイツの3国が入り交じっているような気がしてならなかった。本書の舞台はスイスのとある街にあるドイツ語教室。その教室には様々な人がいるのだが、一人にとあるアメリカ人がいた。 ドイツ語というよく分からない言語を習得する傍ら、その習得する中で様々な人との代わりを持つこととなった。時には「情事」と呼ばれるようなことにあったとしても。 しかしその関わり合いには「嘘」がつきまとう。もち […]

あさ美さんの家さがし

人間生活の上で最も重要な要素として「衣食住」がある。その中でも「住環境」は、日本においては充実したものであるのだが、それにもピンからキリまで存在しており、住環境で幸せを得る人もいれば、逆に不幸を被ってしまう人もいる。中には「ホームレス」や「ネットカフェ難民」などがあるように、住環境すらままならない人も少なくない。 本書はその住環境において、様々な形態で住む人たちを物語として綴られている。方やタワー […]

わたしがいどんだ戦い 1939年

時は1939年、第二次世界大戦の最中であり、この時は西欧を中心とした戦争が行われていた。日本が大東亜戦争にもつれ込む2年前のことではあるのだが、このときには日中戦争が始まっており、文字通り、世界的な戦争が行われた時代である。 本書の舞台は戦地とは異なり、疎開したところであるのだが、戦地とはことなる「戦い」が行われた。その戦いの中には「自分との戦い」があった。その戦いの中には必ずと言ってもいいほど「 […]

告白予行練習 ヤキモチの答え

本書は「告白予行演習シリーズ」の第2弾であり、映画研究部の作品づくりと恋愛を舞台にしている。昨年の11~12月に放送されたアニメ「いつだって僕らの恋は10センチだった。」の原作にあたる小説である。 恋愛のみならず映画を完成させるまでの道のりもまた「青春」を思わせてしまう。その映画をつくる最中にある恋人の「ヤキモチ」。そのヤキモチによって2人との距離が近くなったり、遠くなったりする。その距離の変化が […]

告白予行練習

YouTubeやニコニコを見ている方々であればHoneyWorksと呼ばれるユニットはご存じであるだろう。最も私自身もPVなどで観ることがあるのだが、それは2014年以降出てきた「CHiCO with HoneyWorks」と呼ばれるユニットである。 そのHoneyWorksは高校生の恋愛を描くことも多く、本書のように「告白予行練習」もまたその一つである。本書はシリーズ作品である「告白実行委員会~ […]

廃園日和

私自身、最後に遊園地に言ったのはかなり前の話になるので遊園地に行ったことの記憶はおぼろげしかない。もっとも言ったといっても故郷である旭川の旭山動物園にかつてあった遊園地で遊んだことがある(どうやら11年前に廃止されたらしい)。他にも中学の修学旅行でニセコリゾートにある遊園地でも遊んだことがあったのだが、それ以来なので遊ばなくなってかなり長い。 私事はここまでにしておき、子供の頃に遊園地に行き、大人 […]

ラヴェルスタイン

世界的に有名な学者から主人公に対して「回想録」を頼まれる事となった。その回想録を執筆する際に取材をするようになったのだが、その取材の中で学者は何を語るのか、そこには記憶とは何か、人種とは何か、そして生と死とは何かについてが問われていた。 そもそも本書の著者であるソール・ベローは今から13年前にあたる2005年に逝去した。その著者の描く小説の多くは心理描写が卓越しており、とりわけデビュー当初は戦争の […]

本屋さんのダイアナ

本はまさに様々な物語や考え方がある。その数は数多あり、あたかも「宇宙」とさえ思ってしまうほどである。もっとも書評家と名乗り始めて間もなく10年を迎えるのだが、未だに本とは何か、書評とは何かは未だに分からない。もっと言うと1000分の1にも満たない位しか理解できていないとしか言いようがない。 その本屋にて本と出会うことによって救われることがある。本書の主人公であるダイアナもその一人である。孤独や否定 […]

GO! GO! アリゲーターズ

本書の表紙を見るとワニのような形をしたバスに、野球のユニフォームを着た人がいる。草野球チームかと思いきや、実は異なり、地方球団であるという。華々しいプロ野球と言うよりは、「独立リーグ」と呼べるようなところの弱小球団であるという。その球団に人生に迷いそうになった人が拾われるようになった。 しかし本書の主人公は女性なので選手ではなく、球団の事務職員やマスコットなど、いわゆる「雑用」として裏から支えるこ […]