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青春

17歳のうた

あなたの17歳はどのような人生だったのか。多くは高校生として青春を謳歌していると思う。かくいう私自身も高校生で、それも部活にのめり込んでいたため、部活の思い出が数多くあった。 本書の主人公は17歳であるのだが、舞妓として働く少女、漁師になるために修行をする少女、ローカルアイドルとして活躍する少女など、17歳の少女を中心としている。 少女たちだけの人生を描いた短編集のように思えるのだが、共通している […]

迷子の大人

いわゆる「迷大人」と言うべきなのか、それとも「いい年こいて」と言うべきなのか分からないのだが、迷った大人がいるという。 しかし本書の言う「迷子」とは物理的に親が見つからないと言ったものではなく、人生において「迷っている」ことを指した「迷子」を言う。その迷子から脱出するためによくあるのが「自分探しの旅」なのだが、本書で取り上げる女性もまた自分探しの旅のために特急列車に乗って旅をするという。冒頭で 「 […]

波に乗る

入社してわずか1ヶ月で会社を辞めた後に届いた訃報。それは父親の死であった。しかしその死をきっかけに父はどのような人生を送っていったのか、何も知らなかった主人公は父が生活をしていたある丘の上の海の街に行くこととなった。 その海の街は当然の如く海の波が毎日のようにあり、なおかつ音も聞こえる。波の音と共に父がどのような人生を送っていったのか、それを探す旅が始まった。 その度を続け、街の人、それも生前父親 […]

穴 HOLES

単純に穴を掘るだけの一冊だけであるかも知れないのだが、本書が紡ぐ物語は単純に穴を掘るだけではとどまらない。穴を掘ることを巡って様々な「罪」と向き合い、乗り越えていく。 その「罪」はどこから来ているのか、本書で出てくる少年たちの数だけある。しかし主人公はむしろ「無実の罪」を着せられたのだが、その「無実の罪」自体が「罪」としてカウントされているのかも知れない。それはキリスト教として存在している「原罪」 […]

感情8号線

見るからして「うまい!」と思わせるようなタイトルである。もっとも「東京都道311号環状八号線」の略称である「環八」のうち「環状」を「感情」と変えているからである。しかしその本書のタイトルの捩り元である「環八」が本書の物語の舞台となっている。 そもそも環状八号線は電車では遠回りになっているにもかかわらず、直線で歩いて行くと近道になる。電車で楽に行こうとしても色々な紆余曲折があり、しかしちょっと歩こう […]

歴史はバーで作られる

本書のタイトルを見ると「どうやって歴史を作るの?」と疑問に思ってしまうほどである。そのバーで歴史学者が侃侃諤諤の議論を行うことにより、史実と考察を行っていくことによってつくられるというのだから、本書のタイトルは成り立つという。 本書で取り上げる「歴史」は「マヤ文明」や「源義経」「銅鐸」のことについてである。いずれにしても歴史的な考察で議論を呼んでいるのだが、未だに結論が出ていない要素も数多く存在す […]

初恋料理教室

私自身料理をし出してから料理が楽しくなることがある。時間はかかるものの、料理をする前の材料集めから調理に至るまで、色々なアイデアを使うなど頭を使う。そのことで思いも寄らなかった気づきを得ることができ、仕事でも転用することがけっこうある。そのことから料理は好きだが、まだまだ味は良くなく「下手の横好き」と言う言葉を使ってしまうほどである。 本書の舞台はとある料理教室が舞台になっている。「男性限定」とな […]

満月の娘たち

多感な中学生の時代には、どのようなものを見たり、考えたりしているのか、生きること、命、さらには人間関係に至るまで様々な悩みを持つようになる。もっとも思春期真っ只中の中学生だけあり、様々なことを感じるようになる。 また人によっては「反抗期」を迎え、親に対する反抗心も出てくる。もっとも本書に出てくる中学生もまた「反抗」と言う言葉がよく似合う。 本書はさらに親もまた娘に対する不満を募らせる。その不満とは […]

愛が挟み撃ち

簡単に言えば「三角関係」であるのだが、いざ「三角関係」のことを考えるとドロドロとした印象を持ってしまうのだが、本書における「三角関係」はどうも考えさせられるものである。 その「考えさせられる」理由として「愛」そのものの定義にある。哲学的な論考のように思えるのだが、実際に男女の付き合いをする、あるいは恋愛をしないと分からないのかもしれない。もっとも自分自身は恋愛事にはとても疎い(というか彼女いない歴 […]

エンディング・パラダイス

人生の終わりの時に何を行うのか。本書では人生の終わりのために遺骨収集を行う旅へと出かけた。その理由としては亡き父の遺言によるものであり、人生の総決算をするための旅であった。 しかしその旅の中で見つけたある村に根を下ろすこととなる。そこはまるで「桃源郷(パラダイス)」と呼ばれるようなむっらに行き着くようになった。原始的な暮らしながらも人とのつながりが深く、日本にはないようなもの、もしくはかつて日本に […]