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青春

空にみずうみ

東北で暮らす方々は震災以後の生活は大きく変化をしてしまい、その変化に順応出来る方々もいれば、順応できず、様々なトラブルに巻き込まれるような方々もいる。いずれにしても苦しい生活を強いられていることも多くある。元の生活に戻れた人もいれば、未だに戻れていない方々もいる。 震災から幾年を過ぎてからどのような「日常」となっていったのか、東北地方に住むとある作家の1年を描いた一冊が本書である。 震災の傷跡が残 […]

悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと

私自身猫が大好きである。自由奔放でありつつも純真無垢である姿は少し鳴き声を真似してみると振り向いたり、猫によっては近づいてきたりすることがある。それが可愛くてたまらない。 その猫が人生に打ちひしがれた人を救ったと言う話であるのだが、人生は山あり谷ありというのはうまいもので、先の分からない人生の中で、どのようにして生きていけば良いのかを表している。 本書はとあるパチンコ店で働く若者であるのだが、人生 […]

気まぐれ食堂 神様がくれた休日

料理人としての修行を行い、ついに三ツ星レストランに働き始めた矢先、ケガのためクビになり、しかも失恋をしてしまうなど、様々なものを失ってしまった。 しかしそこから一念発起をするために自然に恵まれた小島へ旅行をすることになった。しかしその小島である食堂に向かったのだが、この食堂に行ったことがきっかけとなり、自分自身の夢、さらには幸せなど考え方が変わっていったと言う物語である。 もちろんアットホームさも […]

総理に告ぐ

政治家はどのような考えで、なおかつジャーナリストたちはどう伝えたのか、そして総理の考えと、ジャーナリストの考えとの違いとは何か、本書は売れないライターがある政治家の回顧録を書くために取材を行うこととなった。 しかしその取材で政治家から耳にした内容は政治家の悪を暴露することかと思いきや、総理のスキャンダルが明かされることとなった。しかもそのスキャンダルはその国の政治・軍事などの情勢が大きく変わってく […]

ぼくらは夜にしか会わなかった

日常的な小説なのかも知れないのだが、恋愛でもなく、友情でもなく、単なる「出会い」に収斂している印象が強い。 とはいえ、短編でありながらも人の出会いの尊さがまざまざと感じさせられる一冊であり、なおかつ人との出会いがいかに人生に関わっていくのかがよく分かる。もちろん「出会い」と言っても恋愛的な要素もあれば、仕事的な要素、さらには家族的な要素から、友情的な要素まで存在する。 それらの「出会い」がいかにし […]

ただ、ふらふらと―酔いどれドクター最後の日誌

医者にまつわる物語は色々とあるのだが、本書は船上ドクターの一冊である。1年の内半分が船の上にいるだけに「船酔い」もあれば、酒飲みだったこともあり、「酒酔い」と言った2つの「酔いどれ」といった要素がある。 しかし本書はフィクションと言った創作ではなく、著者自身がシップドクターとしての体験談を綴っている。そもそもシップドクターとはいったいどのような存在なのか、船の上での医療活動とは何か、さらにはその中 […]

総選挙ホテル

「総選挙」と言うと、昔からあるのが「衆議院総選挙」、現在となってはAKBをはじめ、様々なサブカルチャーの分野でも総選挙が行われ、話題となることがある。 では本書であるのだが、「ホテル」と「総選挙」との関わりあいは内容に見えるのだが、その従業員を解雇したり、あるいは続けたりするために「総選挙」があるという。その「総選挙」をきっかけに、生き残るために戦々恐々とするようになる。 もっとも緊迫感があると言 […]

アシタノユキカタ

「母を訪ねて三千里」という作品がある。本書はその作品に少し似ている部分があった。先述の作品は母を追いかけて遠い国へと自ら旅をした。一方本書の場合は「母を探して」と言う部分で共通するところであるのだが、主体となって動いているのはその母の恩師であり、なおかつ一人ではなく、探している母の娘も一緒に連れてのこと。しかも国跨ぎでなく、地方をまたいで探しに出かけるというものにある。 その旅の中で知ることとなっ […]

ピンポン

本書のタイトルと言うと、今から15年前に映画が公開され、大人気を博した作品といて有名であるのだが、本書はそれとは全く関係がない。しかし卓球小説であることには共通するものである。 先述の映画の主人公は高校生である一方で、本書は中学生である。中学校で卓球に出会い、そこで活躍していく物語であるのだが、その卓球を通じた人とのやり取り、さらには卓球の歴史も掘り下げながら、中学生は成長していく作品である。 本 […]

肉骨茶

家族は旅をしていたのだが、その旅の最中に家族と抜け出し、友人の別荘に身を隠すことになった。しかしその身を隠した先で「食」の地獄に身を投げることになった。その食を逃れるための旅と逃走に対して、結局のところ「食」の尊さと言うよりも、そのものの「怖さ」と言うものを思い知らされた一冊と言える。 中編ではあるものの読みやすさもあるのだが、その「生きる」ことにおける「食」を考えさせられ、なおかつ食に対するあり […]