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青春

まっぷたつの先生

「まっぷたつ」と言っても物理的にそうなったら怪奇小説であるのだが、本書はそうでなく、人格、あるいは時間軸的に「まっぷたつ」を表している。「時間軸的」というのが本書において最も重要な要素であり「現在」の自分と「過去」の自分それぞれを表している。その表している中でどのような交錯があったのかを描いている。 その交錯は人間における変化を表している一方で、ある年代を2つ取り上げつつ、ぞれぞれの境遇と過去と現 […]

パリのお馬鹿な大喰らい

フランス・パリはおしゃれ、かつ美味のレストランが軒を連ねているのだが、しかしその中は玉石混交とまでは行かないものの、様々な店がある。その店やお客さんを「斬る」存在として著者がいる。その著者は料理評論家であり、かつては「サガット」の審査員を務めた人物である。その人物は今のフランスのレストラン、そしてその店に訪れるお客さんはどのように映っているのか、そのことを取り上げている。 フランス料理と言うと高級 […]

私の名前はルーシー・バートン

本書の主人公であるルーシー・バートンは入院生活を送っていたのだが、回復が思っている以上に遅かった。しかしながらその入院の中で疎遠となった親との出会い、さらに最愛の家族(娘や夫ら)との邂逅もあった。 しかしこの「出会い」や「邂逅」は入院生活を送っているルーシーにとって貴重な「出会い」となったという。その「出会い」は人生において本当の意味で大切なことを知ったように思えてならなかった。 本書を読むと家族 […]

ご機嫌な彼女たち

結婚をする人もいれば、離婚をする人もいる。その離婚をして「バツイチ」となった女性たちはどのような人生を送ったのか、その女性及び子どもたちの人生を取り上げている。 「バツイチ」の人生もまた人それぞれであるのだが、その生態を描いているような印象がしてならない。もっともバツイチの女性たちはどのような考えを持っているのかを追っているのだが、本書で取り上げているのは離婚ばかりでなく、「未亡人」と呼ばれる女性 […]

明日ハ晴レカナ曇リカナ

「家族」とはとても近しい関係である。しかしその近しさはほかのところでも代用できるのかと言うとそうではない部分もあれば、そうである部分もある。前者は「肉親」と言うものであり、戸籍上でも確固たる関係があり、なおかつ生まれてから長らく接することが多い。 しかしながら後者もまた実の親よりも付き合いが長ければあたかも「親子」なり「兄弟」なりというような関係になることがある。法律的な結婚関係でない「事実婚」な […]

誓います――結婚できない僕と彼氏が学んだ結婚の意味

結婚式の舞台では愛を誓う場面がある。洋式ではほぼ必ず問われ答えるようになる。しかしながら最近では離婚・再婚率も増えており、永遠の誓いどころか結婚式の誓いは「一時の誓い」でしかないように思えてならない。 また結婚のあり方も変わってきており、最近では内縁の妻・夫といった「事実婚」もあれば、同じ性別同士で結婚する「同性婚」がある。いずれも法律的に「結婚」と認められてないが、堂々と結婚しているようにふるま […]

僕とおじさんの朝ごはん

やる気のないようなときはいろいろとあるのだが、その中でどのようにしてやる気を出していくのかがカギとなるのだが、ひょんなことからやる気を出すきっかけづくりとなることができる。 本書は無気力なおじさんがある少年との出会いによって人生が大きく変わっていくこととなった。その無気力状態だった要因とは何か、そして変わったことによってどのような自分を見出してきたのか、そのことを描いている。 本書を読んで思ったこ […]

つめ

「つめ」と言うと「爪」を連想してしまうのだが、本書はむしろ「詰め」と言った方が世良いのかもしれない。と言うのは動物を相手取った戦い、それは周りの人間を巻き込んで真実を突き詰めていく、その意味での「つめ」と言ってもよいのかもしれない。 本書の舞台はとある住宅地であるのだが、その住宅地は一戸建て・集合住宅が集まっているのかどうかはわからない。ただわかるのは周囲の中には「モンスター」と呼ばれるような人が […]

ストレンジャー・イン・パラダイス

とある集落は都会と比べても「何もない」のだが、その何もない中では都会でしか味わえない「楽しさ」と「面白さ」がある。その両方を知ることのできる要素として「パラダイス」と呼ばれているのだが、本当に「パラダイス」なのか。 本書はその集落の中で再起を図る町おこしのために立ち上がった若者たちを取り上げているのだが、ベンチャー企業のサラリーマンやニート、バカップルなどがいる。文字通りの「凸凹」と呼ばれるような […]

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス

「記憶」はその人の思い出を紡ぎ出すのだが、脳科学者の中にはその「記憶」について改ざんされて出てくると指摘する学者もいる。その記憶によって様々な変化が生じるのだが、その記憶がいかにして物語を紡いでいくのか、そのことを取り上げた一冊である。 その「記憶」がいかにして様々な連なりを見せて、物語を作っていくのか、そのことを取り上げた中編作品なのだが、短いストーリーの中で数多くの記憶が巡り、なおかつ人間模様 […]