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青春

青い孤島

何か「東西対抗」というような雰囲気を持つような舞台である。本書は小さな島における東と西との戦いを描いているのだが、ドロドロとした戦争と言った雰囲気ではなく、選挙戦をはじめ色々な戦いを行っており、いつも「東西対抗○○合戦」というような雰囲気を持っている。 もちろん「戦い」であるだけにバチバチとした雰囲気を持ちながらも、ほっこりした要素が非常に強いため、「喧嘩するほど仲が良い」という諺がよく似合う。 […]

オールドタイムズ

本書は新聞社を退職した記者たちがウェブニュースの会社を設立し、世の中に蔓延るフェイクニュースを暴いていくと言うものである。 メディアに関しては小説ばかりでなく、ルポルタージュなども色々と取り上げてきたのだが、ある種フェイクニュースに対して、さらには既存メディアなど忖度無く暴いていくものである。 新聞記者としては一流だが、ネットニュースとなると環境が違うためズブの素人であることが人物の描写を見ても見 […]

恭一郎と七人の叔母

母子が実家に住んでいるが、その母は8人姉妹で、主人公である子供には7人の「叔母」がいることになる。しかもその叔母たちの中には夫や子もおり、同じ実家で暮らしており、さらには子供から見て祖父母・大叔父・大叔母、曾祖父とみるからに大家族であり、なおかつ何人暮らしかとさえ思ってしまう。 人数的な意味で騒々しい家族の悲喜こもごもを描いたのが本書である。ハートフルなストーリーでもなく、家族のいざこざでもなく、 […]

作ってあげたい小江戸ごはん たぬき食堂、はじめました!

埼玉県川越市は、俗に「小江戸」と呼ばれ、有名である。そもそも「小江戸」とは「小さな江戸(東京)」というよりも、江戸時代のような風情があり、その風情によって栄えている待ちのことを指す。江戸時代にて、 世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり と謳われたことから、「小江戸=川越」という印象がつけられている。それ故か、地ビールには「COEDOビール」、閉鎖された施設として「小江戸横丁」もある。 その […]

エミリの小さな包丁

仕事・恋愛・お金と全て失った女性が、母方の祖父母夫婦に手を差し伸べてくれて、田舎に引っ越すことになった。女性は傷心もあれば、田舎の環境になじめず、戸惑いもあったのだが、祖父母夫婦がつくる料理に触れ、自らも料理をつくることによって癒やされるという物語である。 しかし田舎の環境、そして祖父母夫婦がつくる料理には、その環境でしか味わえない味と愛情がぎっしりと詰まっているようでならなかった。また料理には身 […]

フーガはユーガ

双子は必ずしも性格や傾向が同じというわけではない。「一卵性」や「二卵性」関係なく、境遇はもちろんのこと、価値観、人生経験など様々なことがおりなって、一緒の2人からやがて「1人の人間」が2人と成り立つ。 しかし奇遇にも同じような境遇を受けるといったケースも少なからず存在する。そこで本書である。本書は双子が誕生日に遭遇したある不思議な現象があった。それを武器に悪に立ち向かうという、ある種のロールプレイ […]

ゴールデンタイムの消費期限

「ゴールデンタイム」と言うと、テレビの世界では夕方から夜にかけての時間帯で、最も視聴率の取れる時間帯のことを指す。しかしそれに派生してかどうかはわからないのだが、自身の「全盛期」と呼ばれる時期も「ゴールデンタイム」と指すケースもある。 本書はその「全盛期」と、その紀元に悩むある元天才小説家の姿を描いている。人間の才能を描いているのだが、実はAIによっての再教育と呼ばれる身の毛がよだつようなプロジェ […]

山海記

2011年 この年の意味というと、多くは11年前に起こった東日本大震災を想像するだろう。無論私も同意見である。しかしこの年には震災と同時期に中東諸国にて「アラブの春」が起こった。また日本における天変地異として2011年台風12号による紀伊半島豪雨を中心に甚大な被害を受けた。本書は東日本大震災と紀伊半島豪雨の2つの出来事と場所を結びつけ、その土地の事情を実際に赴き、さらには地誌を通して歴史的などの共 […]

結婚させる家

「もしもそんな家があったら、私も入ってみたい」そう思わせるようなタイトルである。ちなみに本書はとある結婚情報サービス会社における婚活物語を取り上げている。 ちなみに本書にて出てくる婚活願望の方々は40代~50代とどちらかというと中高年に当たる世代である。「晩婚化」が進んでいるなかで、結婚相談所や婚活サイトもあり、中には40代や50代といった中高年層向けのものもあるため、本書の様なサービス会社がある […]

9月9日9時9分

本書のタイトルを見た瞬間、ふと「ノストラダムスの大予言」を連想してしまった。「1999年7の月~」といった予言が有名なものであり、滅ぶのかどうかといったことがあたかもカルト的に取り上げられたことがある。もう23年の月日が流れているため、「ノストラダムスって誰?」と思う方もいることだろう。 ちなみに本書はそういった本ではない。親の仕事の関係で、タイから日本にやって来た高校生の恋愛を描いているのが本書 […]