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青春

アヤとあや

小学5年生の女子2人はまさに「相棒」と呼ばれるほど親密であった。しかもその名前は2人とも「あや」である(もちろん漢字に直すと「彩」と「亜耶」とあり、それぞれ異なる)。 その2人の「あや」が物語の「綾」を生み出す。 片方の「亜耶」はモデルをしていた。そのモデルに強いプライドがあり、自らも神秘的な存在で特別視されたいという願望を持っていた。だんだんと年齢を重ねることによってだんだんと神秘的なものがなく […]

メディコ・ペンナ 万年筆よろず相談

実を言うと、恥ずかしながら私は万年筆は使ったことがない。ただ使って見たい願望は持っており、いつかペンと一緒にノートにしても、手帳にしても色々と記録するために使って見たいと思っている。 万年筆というと高級感がありながら「一生もの」というイメージが強くあるが、実際に文房具店に行くと、使い切りの万年筆も少なからずある。もちろんよくイメージする高級万年筆もあり、購入される方々もちらほらいる。 本書はその万 […]

全部ゆるせたらいいのに

「許す」と言う言葉は、人の度合いによってできるかどうかが大きく異なってくる。よくある「あたりまえ」や「ありがとう」と同じようなものなのかも知れない。 今ある状況が、自分自身の持っている許容量を超える様な事になった時、そういったことが突然起こり、不安を呼んでしまうことも往々にしてある。そうなったとき、あなたは洞のように思い、振る舞うのだろうか。 人によっては、想像もできないことに相容れられず、許せな […]

あなたに安全な人

「安全」と言う言葉は尊いのだが、それを求めて見つけられるまではなかなか難しいのかも知れない。ここ最近では新型コロナウイルスにより、安全という言葉がより重要になる一方で、それが非常に難しいことが痛いほど良く分かる。 本書は3.11以前にとある少年の死を巡った事故と、反対でもとの出来事が交錯し、そして謎の感染症や3.11と、「分断」が多く起こった。その分断によって人は傷つけ、傷つけられといった世界で様 […]

リボンの男

今となっても主婦はいるのだが、もう一つ「主夫」の存在もある。最近ではアニメ・ドラマにまでなった「極主夫道」もあるほど、題材となっているものも数多く、実際に主夫を行っている方の本も読んだことがある。 さて本書も「主夫」を描いているのだが、幼稚園児を育て、家計を支えていくために奮闘している姿がここにあった。 幼稚園の送り迎えなども行っていく中で「シュフ」仲間との関わりもあったが、その中での人間模様、さ […]

明日、世界がこのままだったら

もしも「生」と「死」の間に「狭間」と呼ばれる世界があり、その世界の中に放り込まれたとしたらあなたはどうするか。生と死の狭間というとけっこう哲学・宗教的な観点から議論が絶えず、本当にそれを見たのかどうか出さえも発言する人によって分かれる。ただでさえ存在する・しないと言う議論も絶えないのだが、おそらく結論すら出てこないと言うほかない。 さて本書はその狭間で男女2人だけになった時に、独特の静寂の中でどう […]

お父さんはユーチューバー

この頃「YouTuber」と言う職業が色々な所で名乗られる。人気の良し悪しにかかわらず、数多くおり、中には悪い意味で目立つありがたくないYouTuberも存在する。 本書は沖縄・宮古島で繰らす、ある家族の父親は愛娘のために突然YouTuberになることを宣言した。元々は観光客用のゲストハウスを経営している父親で、娘は絵の才能を見出し、将来は美大に進学を考えていたが、収入が不安定であることを悟った娘 […]

博覧男爵

日本には全国津々浦々に「博物館」が存在する。その地域に縁のあるもの、さらには歴史的なものに至るまで展示し、展示物で以て、その歴史的な経緯を知ることができる。 その「博物館」と言う言葉を誕生させ、さらには東京国立博物館の設立にも尽力をした「日本の『博物館』の父」と称される人物が本書で紹介する田中芳男(たなかよしお)である。 田中は元々博物学者・動物学者として江戸時代末期から活躍し、倒幕前には幕府の使 […]

離れがたき二人

本書はフランスの作家であるシモーヌ・ド・ボーヴォワールが描いた小説であるが、シモーヌ自身生前発表していなかった作品であり、推測の域であるが、50年以上前に作られて、ようやく発表された一冊である。著者自身も1986年に逝去しているため、没後35周年の節目として発表されたものとも考えられる。 著者の話に入ってくるが、シモーヌ・ド・ボーヴォワールはフランスを代表する作家で、なおかつ哲学者であった。また昨 […]

帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木

K2と言っても、世界第2位の山(カラコルム山脈測量番号2号)のことを指しているわけではない。本書はタイトルにもある池袋署刑事課の2人である神崎と黒木の頭文字からとったもの、もしくは「キワドイ2人」のキワドイの「K」と2人の「2」の両方の意味を持っている。 このK2は2010年から2014年にかけて小説現代で連載し、2014年に初めて単行本化された。まさに「水と油」のような凸凹コンビのように見えて、 […]