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小説

ロック・オブ・モーゼス

私立高校に通う女子高生がロックの道に目覚め、天才ギタリストとして活躍を遂げる物語である。そのギタリストはある目立たない女子高生を見つけ、ギターを勧めた。その女子高生は瞬く間にうまくなり、やがてはプロのバンド活動をするようになっていった。 そこからプロのミュージシャンとして辛酸を舐め、成長を続ける日々が始まるという作品である。バンド活動をする女子高生を描く作品はいくつもあるのだが、ある意味ハチャメチ […]

ドール

「愛」の形は人それぞれであるが、その「それぞれ」の中にはひどく歪んでいるものも存在する。その存在する「歪み」が本書に表れている。 その歪みとはいったい何なのか、そして誰から来ているのかというと、本書はある「少年」から来ている。その少年はある少女が好きになった。しかしその「好き」は単純な恋愛よりも、自分自身のもの、つまりは「ドール(人形)」にしたいが故の「好き」である。 その「好き」は物語が進んでい […]

すなまわり

本書のタイトルにあるものは簡単に言えば「土俵」のことを表している。土俵は砂で覆われつつ、ラインが引いてある。周囲には藁に囲まれ、神聖な場所としても挙げられる。 ちなみに本書の主人公は力士かと思いきや、力士の夢敗れて行司の道を選んだある若者を取り上げている。 力士になることの夢、そして力士の夢を破れた絶望、そしてその代わりの道となる行司へと進んでいった。その行事になり、取り組みを取り仕切ることになっ […]

教授と少女と錬金術師

元々著者は美大出身で油絵の専攻である。その専攻した油絵の技術は本書にも生かされている。生かされている場所というと油絵の絵の具をはじめ美術史家の人物描写などが挙げられる。 ちなみに本書はどのような本なのかというと、ある薬学部の学生が育毛や油脂の研究を進めていた。その油脂の成分からそこから乾性油を作り出す。その作り出す中で髪の毛と神との共通点とは、油脂と油絵とは何かを様々な角度から取り上げているのだが […]

ルカの方舟

火星の隕石が見つかり、その隕石には生命の痕跡があったことから物語が始まる。そもそも火星にはそういったものがあることについては学会でも発表されることはあったのだが、本当のところは諸説あり、真実的としては不明というほかない。 しかし本書はそこにも斬りこんでおり、仮に「発見したら」ということをとらえながら、様々な出来事・事件が起こる。その中心にいるのは研究者というよりも世紀の発見をより早く、より正確かつ […]

美人薄命

3日前、衝撃のニュースが入った。人気アイドルグループ「私立恵比寿中学(通称:エビ中)」のメンバーだった松野莉奈氏がわずか18歳で逝去した。7年前にエビ中に加入し、2012年にデビューし、これから活躍する矢先の訃報である。テレビ自体は見ないのだがYouTubeを通じて歌っている姿は明るく、なおかつ美しかった。訃報を触れるとどうしても本書のタイトルにある四字熟語を思い浮かべてしまってならない。 本書の […]

お師匠さま、整いました!

本書にて取り上げる寺子屋の「師匠」はなんと女性である。その女性はある意味「肝っ玉」が据わっており、様々なことがわからなくても「まるっとまかせなさい!」という感じで応えていく。 その様な寺子屋にある「女性」が入塾してきた。本来であれば女の子や男の子が入塾すべき寺子屋なのだが、算術などを学び直したいという理由から入塾してきた。様々な戸惑いもありながらもその女性はひたむきに努力を重ねていく。 そのことが […]

たらふくつるてん

昨今では様々な雑誌で落語が取り上げられ、どこかのホールや寄席では毎日のように落語のイベントが行われている。その落語の世界にも「祖」が存在する。 関西を中心とした「上方」であれば露の五郎兵衛(つゆの ごろべえ)であれば、江戸は鹿野武左衛門(しかの ぶざえもん)である。そこから初代三笑亭可楽が出てきて江戸落語のルーツが生まれ、育っていった。 しかしその鹿野武左衛門は江戸落語を生み出した人物であると同時 […]

太郎とさくら

本書のタイトルの2人は実の姉弟である(異父姉弟)。元々姉は地元に住んでいたが間もなく結婚し、マンションに移ることになったのだが、その弟が東京から帰ってくることになった。その結婚までのプロセスと、結婚式を挙げるまでのプロセスの中で出てくるドタバタ劇は家族や姉弟、さらには友情や愛情などが入り交じった暖かさがある。 ドタバタ劇の中には人間臭さも存在しており、それぞれの人物の価値観や考え方、さらにそこから […]

金を払うから素手で殴らせてくれないか?

本書のタイトルに出くわした瞬間、思わず「嫌です」と答えてしまう。もっとも「いいよ」と答えてくれる人もめったにいないような気がするが。 しかしながらそういった感情に苛まれるような状況は「必ず」とまではいかないものの、状況に出くわすようなことは存在する。その存在する感情がいかにして生まれるのか、本書はそういった状況に陥るようなストーリーが紡がれている。 しかし本書のような状況は、言葉にしてみれば「ナン […]