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SF

征服少女 AXIS girls

表紙だけをパッと見ると制服を着た少女たちが地球を征服するというイメージがある(ダジャレはさておき)。 しかし本書はSFの世界で、とある悪魔が地球を侵攻し、征服した。しかし数万年の時を経て、征服された人々とが地球を取り戻す、いわゆる「再征服」するために動き出すというものである。その征服についてメインとして動くのが本書の表紙に出ている8人の少女たちである。しかしそう考えるとなぜ表紙が「制服」を来ている […]

沙漠と青のアルゴリズム

本書はあたかもタイムマシンに乗ったような1冊である。現在が2021年とするならば、過去は2015年、未来は2028年といったように、日本滅亡を回避するために、尽力するといった一冊である。 近未来であり、なおかつ現実と架空、それぞれの「世界」を交錯していく中で生き残った人たちは回避に向けて動いていく。しかしその中には殺人事件も発生するなど、滅亡や事件解決などが関わっていく中で物語は進んでいく。 単純 […]

イヴの末裔たちの明日 松崎有理短編集

人には誰しも「究極の選択」といった場面に直面することがある。その数・質は人それぞれかも知れないが。 それはさておき、本書は悲喜こもごもの「究極の選択」が求められる物語を5編取り上げている。そもそも「究極の選択」は人生の大きな転機になるのだが、その「転機」自体は悲しいところからの脱出や、長らく未解決だった件を解決することなど様々な傾向のものが収録されている。 全て近未来のSF作品であるのだが、現実味 […]

時を壊した彼女 7月7日は7度ある

タイムリープするようなSF本はいくつも存在する。しかし、タイムリープしながらも、起こった事件を解決すると言った一冊である。 舞台はとある高校であるのだが、その高校で起こった謎の爆発死亡事件。しかしタイムリープしながら謎を解き明かそうとしていく中で、新たに死ぬ学生たち。謎が謎を呼び、迷宮入りをするかと思えるような物語であったのだが、証言を聞いていくうちに、解決への道筋が見えくる。 SFとミステリーは […]

JKハルは異世界で娼婦になった

当ブログでは書評を中心としており、どのようなジャンルでも書評を行う事を標榜しているのだが、本書に出会ったときは思わず「は?」となってしまう思いだった。ただ、本書の帯には、 「タイトルで「え?」と思った方にこそ読んでほしい小説です。」 と書かれており、手に取ることとした。もっとも本書は2017年に出版されているのだが、その後に文庫やコミックにまでなるほどの人気作品になっていることにも驚いた。ライトノ […]

SIGNAL シグナル

本書は「電波」を解読するまでのことについて描かれた一冊である。学生の頃にとある星雲(と言ってもウルトラマンらの故郷ではない)から届いた電波から物語は始まる。本書の主人公は当初は中学生であったが、この星雲からの電波が出たことに興奮し、ある先輩の元へと赴く、「先輩」は自らも天文に興味を持っていたものの、無口で変わった人だった。 そしてその「先輩」は天文学者となり、電波の解読に成功する。しかしその電波は […]

ブラックシープ・キーパー

「羊飼い」と呼ばれている異能力者たちとの戦いであったのだが、物語の舞台は札幌とかなり身近な場所であるが、あくまで「近未来の札幌」を描いている。 近未来というとSFの要素を持っているのだが、その中でも人間としての「愛」が描かれている。もっとも人物の中には人の愛を知らない冷酷さを併せ持った殺し屋だったのだが、その殺し屋の心境が変わった所の描写が何とも言えない。 近未来と言いながらも殺人描写もあるため、 […]

トリニティ、トリニティ、トリニティ

本書は近未来を描いたようでありながら、今の社会を鋭く切り込んでいると言える。もっとも舞台は2020年。ちょうど東京オリンピックの年であり、なおかつ東京オリンピックが開催され始めた頃のことを描いている。 しかも事象は「原発事故」、そう2011年に起こった東日本大震災と、福島第一原発のメルトダウンの出来事から2020年の東京オリンピックにて「原発」と言う名の闇が襲うというものである。近未来チックに描き […]

僕はロボットごしの君に恋をする

舞台は「近未来」といえるのかもしれない。そのような舞台になると、ロボットの技術はどうなっていくのだろうと思ったのだが、そのロボット開発と狂気が入り交じっているようであった。しかしながら狂気といいながらも、戦争を起こす、あるいは暴走を起こすといったグロテスクな展開になるのが多くある。本書もその例外に漏れずテロや暴走といった要素もある。 その一方で「思う人を守る」といった要素もあり、口悪く言うと「ベタ […]

架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章

何というか、ある意味「ナンセンス」な一冊である。しかしながらその「ナンセンス」さが創作としての面白味を引き出たせている。 そもそも「論文」は論拠を見出して議論を構成していくため、架空であってはいけない。もっとも文献や仮説などをふんだんに盛り込まれるため事実から考えていくことが求められる。 そのため本書のような論文はあってはならないのだが、その「架空論文」を作るのであれば「こうだ」というのを物語にし […]