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文芸・評論

あなたがスマホを見ているとき スマホもあなたを見ている

本書のタイトルからして、今のスマホの現状を見ているように思えてならない。最近ではセキュリティの観点から人がスマホにて除いた内容が他人に流出するようなニュースもちらほら聞くためである。 本書はそのそのことも含めて歩きスマホなどについて批判をしたエッセイの一つであり、表題も含めて、昨今の日常に鋭く切り込んだエッセイ集である。 新聞やテレビのニュースはもちろんのこと、実際に歩いてみて気づいたことなど些細 […]

首の鎖

何か「首輪」と呼ぶようなものがあるのかもしれないのだが、他人に縛られる、あるいは服従の如く束縛される問いような様相を見せることもまた本書のタイトルは「首輪」にほど近いものである。 そのタイトルにあるような起因が女性からしては母、男性からとしては妻の存在である。よく言われるものとして「私以外の人と関わらないで」というような発言で、他人との交流を拒絶させるような人もそうなのかもしれない。 しかし本書の […]

女たちが、なにか、おかしい おせっかい宣言

社会にしても、人にしても絶えず変化をする。その変化の中には相容れられないようなものもある。そのことによって「ジェネレーション・ギャップ」や「俗流若者論」なるものが出てきており、そのことにより世代などの「対立」が出てくることも度々ある。 本書はあくまで「女性」のことを言っているのだが、その中でも女性の「変化」について一石を投じているエッセイ集である。ステレオタイプの女性の在り方としてあるものとして「 […]

野良ビトたちの燃え上がる肖像

差別や貧困、そしてそこから来る「格差」を如実に表されている一冊である。東京都と神奈川県の県境にあるとある河川が舞台となっているのだが、そこではホームレスたちのたまり場であった。しかもその舞台では様々な差別があるという。 本書はその一つ先の未来の「もしも」を描いており、なおかつ、ネガティブな意味での「もしも」を描いている。しかもその「差別」や「格差」のありようは、本来であれば社会問題になるほどの差別 […]

シャルロットの憂鬱

本書で取り上げている「シャルロット」は女性の名前のように見えるのだが、実はメスの犬であり、元警察犬である。先述の通り、過去に警察犬を行ったため、事件の捜査などを行ってきたのだが、そこから引退をした後もまた、事件に遭遇することとなった。 その事件はまさに不可解なものであり、なおかつ解決に導くために、どのようなトリックがあるのか、そこにはシャルロット自身の遍歴にあったのかもしれない。 元警察犬としての […]

初音ミクの消失 小説版

今となって「初音ミク」は一種の市民権を得たのかもしれない。今から12年前にはボーカロイド(ボカロ)自体が根付いていない時に颯爽と現れ、大人気をもたらした。もっと言うと初音ミクが誕生したのは北海道札幌市にある「クリプトン・フューチャー・メディア」にて誕生した。その時にニコニコ動画では「歌ってみた」というようなものが次々と生まれ、初音ミクに様々な歌を歌うような投稿が見られ、そこから爆発的に広がっていっ […]

少女奇譚 あたしたちは無敵

人は誰しも不思議なことに出くわすことはある。それは頻度・度合い関係なく、である。本書はその中でも少女たちが多かれ少なかれ「不思議」なことに出会ったことを綴った短編集である。 日常から非日常へと移り変わる刹那、少女たち自身の意識も変わっていく。秘密を持ちながらも、「無敵」と思えてしまうのだが、少女たちには荷が重いような運命も起こり当て、それを乗り越えていく描写は何とも言えなかった。 現実からかけ離れ […]

見た目レシピいかがですか?

本書のタイトルを見て「じゃあ、味は?」と思ってしまうのだが、見た目が良いとなると想像する味も良いものかもしれない。しかし見てくれだけがよくて味が絶望的なものであることは往々にしてある。 それはさておき、本書は「イメージコンサルタント」なる職業にて働いている女性4人の織りなす物語である。その4人それぞれ見た目やイメージを大切にしているのだが、その先にあるものとは何かを描いているのだが、本書の物語を読 […]

人魚姫の椅子

ロマンチックなタイトルのように見えるのだが、実際には小説を書く高校生と椅子職人との交流を描いているのだが、季節は移ろいながら関係は変化する。それは人の成長も含めて変わってくる。その変わってくる中では距離も出てきて、いつしか「別れ」も出てくる。その当たり前と呼ばれることもいつか終わることを受け入れられなかったことが、失踪事件の引き金となった。 何てことない2人の関係がなぜ失踪事件の引き金となったのだ […]

おとぎカンパニー

世の中には色々なおとぎ話がある。そのおとぎ話は実際の所残酷な話を上手い具合にデフォルメにして子どもも楽しめるようにしたためているものが多くある。 そのおとぎ話を「会社」に見立てて、物語にした短編集というよりも「ショートショート」と呼ばれる超短編集にしたのが本書である。おとぎ話の「夢」の側面と、会社や社会と言った「現実」の側面を如実に表しているような気がしてならなかった。 もっとも会社をショートショ […]