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日本史

おふくろとお母さん -古今東西 母にまつわる物語-

本当だったら、本書は5月10日に紹介すべきだった。 本書を手に入れたのがちょうど昨日。あまりにも遅すぎた「母の日」にまつわる本の紹介。悔やまれる…。とはいっても来年に延ばそうかというとそうにはいかないもので、結局今回紹介することとなった。 私情はここまでにしておいて、本書は古今東西の「母」にまつわる物語について紹介した一冊である。主役となった人の母親像、母として戦ってきた女傑、息子のために冷酷にな […]

転回点を求めて―一九六〇年代の研究

1960年代というと今から約50年近く前のことである。このことについてよく知っている年代というと、団塊の世代以上の方々になる。60年代というとそれよりもずっと後に生まれた私では想像できないことだがどのような事が起ったのかというのも具体的に知りたい。本書は60年代に起こったこと、流行したものなど60年代にまつわる様々な角度から研究した一冊である。 Ⅰ.〈生活〉 1960年代というと電化製品における「 […]

天誅と新選組―幕末バトル・ロワイヤル

幕末は激動の時代だったと言われている。かたや倒幕のために動き出す志士達、かたや天皇を担ぎ出そうとする人達、かたや幕府、もとい保身のために志士達を根絶やしにする者もいた。その時代は本書のタイトルとなっている「バトル・ロワイヤル」に相応しいと言っていい。 本書はそんな幕末の中でも「文久」の3年間で起こった事柄を紹介している。 第一部「文久天誅録」 1603年に江戸幕府ができ、1616年から鎖国が始まっ […]

「書評の部屋」ボツネタ集その2

ボツ理由:批判の仕方があまりにも過激すぎて、さすがにバッシングされるだろうと思ったから。   変容する日本の中国人社会 新華僑 老華僑 posted with ヨメレバ 譚 路美/劉 傑 文藝春秋 2008年04月21日 楽天ブックス Amazon Kindle 7net honto e-hon 紀伊國屋書店     本書は日中間の歴史、そして中台間の歴史について書かれている。 […]

敗者から見た関ヶ原合戦

1600年、徳川家康と石田三成との合戦が行われ、徳川氏による江戸時代の礎となった関ヶ原合戦。ちなみに徳川氏を「東軍」、石田氏を「西軍」となっている。よく関ヶ原合戦は徳川氏の「東軍」ばかりがスポットにあたるが(歴史的背景を考えたら仕方のないことだろう)、本書はその逆の「西軍」石田三成側にスポットを当てている。歴史的に検証を行ったうえで書かれている。ただしあくまで「石田三成側」、いわゆる「西軍」のこと […]

平和の発見―巣鴨の生と死の記録

ちょうど60年前の今日、A級戦犯7人が絞首刑に処せられた日である。 東京裁判が結審した時も60年前。当ブログでは数カ月にわたり東京裁判についての本を書評してきた。今回はちょうど一区切りということで本書を選んだ。ちなみに本書は昭和24年に初版されたのだが、今年の終戦記念日に新装復刊された一冊である。 本書は東京裁判にあたって、そして7人の死刑囚の巣鴨プリズン内での姿をありのまま映している。とりわけ明 […]

戦争責任とは何か―東京裁判論争をめぐる50問50答

今年東京裁判の結審及び7人の処刑執行60年を迎える。この60年経った今もこの東京裁判の定義に関する論争は後を絶たない。当ブログでは東京裁判にまつわる書評はいくつも行ってきた。私自身の意見としてはこの裁判は結局連合国の都合で終わったと言える。少なくとも「東京裁判は平和のために役に立った」のは完全な間違いであったというのは周知の事実であり、マッカーサーも同じように語った。本書はこの東京裁判、及び戦争責 […]

日中戦争下の日本

日中戦争は1938年に開戦となったが、開戦当時は早急に終わると政府や軍も簡単に思ってしまっていた。しかし蒋介石率いる中国国民党はアメリカを始め欧州からの武器と資金の援助により泥沼化させ、最終的には勝利を収めた。ちなみにこの日中戦争までの道のりは国民の世論は開戦が大多数であった。しかし戦争が泥沼化し始めると政府の首脳陣への批判が後を絶たなかった。敗戦後はあたかも自分は平和主義者のように開戦をした人た […]

汚名―B級戦犯刑死した父よ、兄よ

戦後63年を迎える今、歴史認識問題は絶えず論議の的になり、外交の大きな隔たりの要因の一つとして挙げられることが多々ある。本書は特に取り上げなければならず、かつ遺族の苦痛は戦時中以上のものであった、本多勝一ら朝日新聞をはじめ政府では社民党や共産党はそう言った胸中を知っているのだろうか。むしろ中国や韓国に謝れという以前にそう言った人たちの陳謝と保障を訴えることから歴史認識問題について論議するというのが […]

戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録―芸人たちが見た日中戦争

今、航空自衛隊の幕僚長による論文問題により歴史認識問題が揺れている。私自身も東京裁判等を通じて数々の戦争に関する文献を取り上げてきた。戦争にまつわる歴史認識は韓国や中国の顔色を伺ってばかりいるが、果たしてその歴史が日本人にとって誇りに思えるのか。そして東亜の平和のために勇猛果敢に戦ってきた人たちに失礼ではないだろうかと考えさえもする。しかし今回は戦争の中で兵隊たちにひとつのオアシスを与えた「わらわ […]