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日本人

マグロ大王 木村清 ダメだと思った時が夜明け前

道を歩いていると「すしざんまい」という店を目にする事があり、その店の前にはその社長が笑顔で両手を広げているモニュメントがある。好意的に捉える人もいれば、本当に必要なのかという否定的な人もいるかもしれない。 そのモニュメントにある「笑顔」こそが、本書の著者であり、「すしざんまい」を運営している株式会社喜代村の社長である木村清氏である。本書はすしざんまいができるまでのエピソードと自らの半生を綴っている […]

三島由紀夫 悲劇への欲動

私自身少し驚いており、元々岩波新書自体、三島由紀夫の思想とは真反対にあるような印象が強かったのだが、その岩波新書に三島由紀夫にまつわる本が上梓されるとは思ってもみなかった。 それはさておき、1970年11月25日に三島事件(「楯の会事件」とも呼ばれる)が起こり、三島由紀夫がクーデターを呼びかけた後、割腹自決を遂げた。この事件から今年でちょうど50年を迎える。 三島由紀夫と言えば、「潮騒」や「金閣寺 […]

伝える人、永六輔 『大往生』の日々

永六輔はマルチな才能を発揮した人物である。特に作詞家として、ラジオパーソナリティとしての知名度もあれば、1994年に「大往生」を上梓し、200万部を超える大ベストセラーにまで登り詰め、エッセイストとしても名を馳せた。マルチな才能を持つ一方で、「徹子の部屋」にも幾度となく出演し、好奇心旺盛な側面も覗かせた。その永六輔の生涯については1994年の大往生が上梓された以降の足跡を追っている。 Ⅰ.「ベスト […]

決定版 日本の剣豪

日本には「剣豪」と呼ばれるような武士は数多く存在していたが、その中でもよく知られている剣豪というと、多くは宮本武蔵や柳生十兵衛などが挙げられる。もちろんこれらも剣豪と呼ばれているのだが、本書は戦国・江戸、そして幕末維新の中でどのような「剣豪」がいたのかを取り上げている。 第一章「「剣術」の誕生と「戦国」」 元々武士の時代は平安時代末期にあった源平の戦いの中で出てきた。しかしその時は剣術なるものは生 […]

評伝 一龍齋貞水 講談人生六十余年

私事であるが、私は落語鑑賞を趣味にしている一方で、講談を聞いたことはほとんどない。また実際に生で聞いたことはこれまででたった一度だけである。その一度は高校の時の芸術鑑賞の授業の中で聞いたのだが、その時に聞いたのが本書で紹介する一龍齋貞水の講談である。このときは人間国宝になったときのことである。その時にかけたのが、題目は忘れたのであるが怪談であったことを覚えている。貞水が最も得意とする「立体怪談」で […]

ラストアイヌ 反骨のアイヌ歌人森竹竹市の肖像

アイヌ文化は内地と呼ばれる本州とは一線を画して独特の文化を育んでいった。最近では「ゴールデンカムイ」など多くの作品にてアイヌ文化が取り上げられ、認知が広がりつつある。 しかしアイヌはかつて「迫害」と呼ばれる歴史を辿ってきており、その度に抵抗をおこなってきた。有名どころとしては1669年に起きた「シャクシャインの戦い」や1789年に起きた「クナシリ・メナシの戦い」がある。明治になってからは続々と内地 […]

12人の花形伝統芸能-覚悟と情熱

伝統芸能の場にて活躍する若者は少なくない。本書はその中から若手の台頭となっている12人の人物を取り上げ、伝統芸能に挑む覚悟と情熱を取り上げている。 第一章「尾上松也(歌舞伎俳優)」 音羽屋として六代目尾上松助を父に持つ尾上松也は、歌舞伎の活躍はもちろんのこと、ドラマや現代劇、ミュージカルと多岐にわたる活躍を見せている。その一方で歌舞伎への情熱も強く、毎年1月に行われる「新春浅草歌舞伎」のリーダーを […]

田中角栄 最後のインタビュー

立身出世であり、なおかつ人望が厚かったが、晩年はロッキード事件で暗い影を落とした昭和の首相の中でも代表的な人物として挙げられる田中角栄。その角栄に単独でインタビューを行った記録が存在した。今からちょうど40年前にあたる1980年の12月、ブラジルの新聞の取材のためにだったが、当時の角栄は先述のロッキード事件における裁判の途中にあった。もともとは日本とブラジルの関係についての取材を行ったのだが、日本 […]

母親力 息子を「メシが食える男」に育てる

昨年2度目の引退、もとい完全引退をした森昌子。歌手に女優にと幅広く活躍された人物であると同時に、3人の子供を育てた母親としても知られている。本書はその母親として、どのように3人の子供を育てたのかを取り上げている。なお森昌子の子にはONE OK ROCKのTakaやMY FIRST STORYのHiroがいる。 第1章「子育ては3歳までが勝負」 子育てというと難しい側面があるように見えるが、森昌子は […]

増補版 大平正芳 理念と外交

ご存じの方は今となってそれ程多くないものの、大平正芳は昨今の日中・日韓の国交を築いた人物であり、なおかつ保守政治家の大家であった。通称「アーウー宰相」や「讃岐の鈍牛」と言われ、なおかつ知性派として辣腕を振るった。しかしながら自民党の分裂による解散により首相のまま逝去したとも知られている。 生誕して110年、没して40年というちょうどの節目に大平正芳の生涯を追っているのが本書である。 第1章「「楕円 […]