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日本人

天皇と法王の架け橋 軍服の修道士 山本信次郎

戦国時代において、キリシタン大名と呼ばれる方々がいた。その中には5年前に列福された高山右近もいる。やがてキリスト教が禁止になり、江戸時代が終焉し、明治時代に入ると少しずつではあるのだが、キリスト教が信仰されることとなった。代表的な人物としては内村鑑三がいる。また本書で紹介する山本信次郎もまたキリスト教徒であり、おそらく軍人の中でも最も敬虔なクリスチャンであると同時に日本とバチカンとの関係を深めるこ […]

小泉信三―天皇の師として、自由主義者として

本書で取り上げる小泉信三は経済学者であり、本書のサブタイトルにもある「天皇の師」でもあった。その「天皇」は現在の上皇陛下であり、戦後間もない時に教育掛となった経緯がある。こちらの詳細については第4章で詳しく述べることにするのだが、経済学者として、上皇陛下の教育掛として活躍した小泉信三の生涯を評伝として取り上げたのが本書である。 第1章「父と修学時代」 小泉信三の父は小泉信吉(こいずみのぶきち)であ […]

矢内原忠雄――戦争と知識人の使命

時計台のある東京大学の駒場Ⅰキャンパスには「矢内原公園」があり、かつては矢内原門があり、その門があったことの石碑が今もなお存在する。その「矢内原」こそ、本書で紹介する矢内原忠雄である。東京帝大(現:東大)の政治学科卒業後、就職を経て、東京帝大に戻り、学名が東大になってからもずっと教授として教鞭を執り続け、戦後には大学の学長にあたる「総長」にまで登り詰めた。 しかしながら研究や主張によっては物議を醸 […]

おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝

菅原文太が逝去して5年の月日が流れた。戦後になってから芸能界に入り、俳優として大成した人物でもある。もっとも俳優としては任侠映画や実録映画といった種類、とりわけ「仁義なき戦い」シリーズは代表作にもなったほどである。その菅原文太が生誕から俳優になり、2014年に逝去するまでの生涯について「評伝」という形で取り上げたのが本書である。 第一章「俳優になるまで」 菅原文太は1933年、宮城県仙台市に生まれ […]

ブスの家訓

何とも刺激的な一冊なのだろうか。まず表紙からしてどの国民的アニメを模しているのかは用意に想像がつき、なおかつ自虐しているようなタイトルのようでいてならない。本書は著者自身家族をもっているのだがその日常と同時に’、自らの半生も綴っている一冊である。 第1章「ブスの実家」 著者自身の実家と家族のエピソードを取り上げている。著者の実家は自宅からさほど離れていないように見受けられる(もっとも私自身の実家は […]

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

著者は本当の意味での「地獄」を味わった人なのかもしれない。それ程の不幸を味わいながら、立ち直り、活躍をしているのだが、病と今もなお闘っている状況であり、体験記を今もなお綴り続けている。その病が発病してから闘いはじめ、そして闘い続けている最中を綴っているのが本書である。 第1章「精神障害、生活保護、自殺未遂」 短大を卒業し、雑誌の編集者として社会人生活を始めたときから大きなつまずきを起こしてしまった […]

絶滅危惧職、講談師を生きる

本書のタイトルにあるように講談の世界は存続が危ぶまれる様な状況に陥っており、「絶滅危惧」と呼ばれているほどである。その世界に入り、今となっては著者が「講談」の世界から復興に気を吐いているような気がしてならない。今となってはテレビやラジオでは見聞きしない日はないほどの人物であるのだが、知っての通り著者は現在二ツ目である。 二ツ目で人気を博し、なおかつメディアでも引っ張りだことなる人物は落語の世界でも […]

傷だらけの人生

金融や国家、政治など歯に衣着せない論説で有名な副島氏であるのだが、本書はその論説はあるにしても、自分自身ダマされた失敗談も赤裸々に綴っている。銀行員時代から評論家になるまでの活動として、様々なところでダマされたという。そのダマされた経緯と対策について取り上げているのが本書である。 第1章「オンナにダマされた」 そもそも本書のタイトルは1971年に公開された同名の任侠映画から来ている。鶴田浩二主演で […]

古田織部 – 美の革命を起こした武家茶人

戦国武将でありつつ、有名な茶人がいる。その名も古田織部(古田重然)であり、2011年にアニメ化されたマンガ「へうげもの(「ひょうげもの」と読む)」のモデルでもある。そもそも古田織部自身について「宗湛日記」にて「へうけもの」と呼ばれていたことがルーツと言える。もっとも「へうげもの」や「へうけもの」は字音仮名使いにおいて「おどけた人」「ふざけた人」を意味している。武将でありながら茶人であったという事に […]

声優 声の職人

元々声優の仕事の歴史は、日本において大正時代末期にまで遡る。東京放送局(現:NHK)がサイレント映画に声を吹き込んだことが始まりとされており、その当時は俳優の仕事の一部として声の入れ込みとして俳優の副産物としての仕事の役割でしかなかった。もっとも声優の大御所の中には俳優をメインにしていたが、いつしか声優として成功した方々がほとんどで俳優の仕事の一つとしての役割としか認識がなかった。 しかしながら声 […]