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歴史・地理

明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代

元々江戸時代における「鎖国」の時代は特に諸外国と一切関わりが無かったとは言えない。当時の「清王朝」だった中国大陸とオランダのみ交易が認められ、長崎の出島を玄関口に貿易などの交易が行われた。 しかし1853年、アメリカの蒸気機関船「ミシシッピ号」をはじめとした4隻の船が浦賀沖に来航した。それ以前にも琉球や小笠原に来航したが、特に幕末の始まりとして浦賀沖の来航が有名である。このときにペリーから開国に関 […]

人が集まる街、逃げる街

「街」には様々な表情があり、表情によって街そのものの個性・特色となっていき、人が入ったり、逆に離れたりする。特に2020年に入ると、コロナ禍によりテレワークなどが急速に進み、街の見方も変わっていっているという。そもそも本書のタイトルにある「集まる」「逃げる」にはどのような要素があるのか、本書はそれぞれの街を引き合いに出して取り上げている。 第一章「ニュータウンの課題と挑戦」 高度経済成長期に数多く […]

松本隆のことばの力

松本隆は元々はっぴいえんどの元ドラマーであったことからミュージシャンであったが、1971年から作詞および音楽プロデュース活動を行い、これまで数多もの曲を作詞してきた。先の通り、昨年松本隆は作詞活動50周年の節目を迎え、トリビュートアルバムやオフィシャルプロジェクトも次々と開催された。 この50年の中で日本の歌謡曲、後にJ-POPの根幹を支えてきたのは言うまでもない。本書は作詞活動50周年を記念し、 […]

東京大空襲の戦後史

大東亜戦争時、東京にて空襲を受けたのは1944年11月から、1945年8月15日の終戦までで100回以上空襲を受けたのだが、特に大きなものとして1945年3月にあった空襲が特に規模が大きく、次章以降でも述べるのだが、多くの民間人が10万人以上も命を奪ったとされ、「東京大空襲」の象徴的な部分として挙げられる。 なぜアメリカは東京大空襲を行ったのか、そしてその後の戦争被害と東京裁判などにおいて、どのよ […]

カミュ伝

小説「異邦人」やエッセイ「不条理」はもちろんのこと、演劇として「カリギュラ」「誤解」といった作品をも生み出していったフランス文学の代表的人物の一人にまで上り詰めたアルベール・カミュ。栄華も極めており1957年にノーベル文学賞を受賞したことでも知られている。 1960年に交通事故で逝去したが、その後もいくつか話題となった。特に2020年あたりから続く新型コロナウイルスの感染拡大において、小説「ペスト […]

何とかならない時代の幸福論

時代は変わる。その変わる時代の中で「何とかなる」こともあれば「何とかならない」と思えるようなことも往々にしてある。特にここ最近では「コロナ禍」「コロナショック」により、「何とかならない」声がどうしても聞こえてくる。 そのような時代の中で「幸福」とはいったい何か、本書は立場の違う2人が対談を通して日本の現在地と幸福についてを取り上げている。 Ⅰ.「日本の現在地――私たちはどこへ向かっているのか」 か […]

越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねて

本書は著者自身がペルーに住みながら、ペルーを含めた南米諸国を渡り、日系人たちとの出会いを通して、越境していくこと、日系人とはなにかを見出している。そもそも「日系人」とは、 日本以外の国に移住し当該国の国籍または永住権を取得した日本人、およびその子孫のこと。Wikipediaより抜粋 とある。日系人として印象が強くあるのが戦後になってからJICA(国際協力機構)の支援により、南米に移住する方々が出て […]

悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

先日、新潟の「佐渡島(さど)の金山」を世界遺産登録について話題となった。特に過去の歴史的な遺産について登録になるかどうかの論議もあり、私の住んでいる鎌倉市も世界遺産登録の推薦があったのだが、残念ながら「不登録」となった経緯もあった。 また世界遺産の中には原爆ドームやアウシュビッツなどネガティブな面での遺産として登録された事例もあり、負の側面を忘れないために旅行を通して見聞きすることを「ダークツーリ […]

明治神宮 内と外から見た百年

毎年初詣客で賑わう明治神宮。例年であれば、大晦日から元日にかけて「終夜参拝」が行われていたのだが、一昨年の大晦日から昨年の元日は行われず、今回2年ぶりに「終夜参拝」が行われるようになった。オミクロン株の拡大の懸念もある中で多くの参拝客で賑わったという。 ニュースになったかどうかは不明だが一昨年の2020年11月に鎮座100年を迎え、「鎮座百年祭」が「静かに」行われた。元々明治神宮が都心でありながら […]

リーダーシップ進化論―人類誕生以前からAI時代まで

リーダーシップというと、よくあるのが「ビジネス」の場におけるリーダーシップを想像することが多い。現に書店でも「リーダーシップ」となると、ビジネスの場におけるリーダーシップの本がほとんどである。 しかし本書はそれらとは大きく異なる。確かに「リーダーシップ」の本ではあるものの、人類が生まれる前から誕生、さらには人類が進化していく長い歴史のなかで、どのような「リーダーシップ」があったのか、時代背景と形態 […]