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歴史・地理

恋愛制度、束縛の2500年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで

現在の日本で恋愛制度といった法律は存在せず、あったとしても「結婚」に関して民法に定められた制度がある。そう考えると「制度」というのは存在しないのだが、宗教的な概念、あるいは文化的な概念から、暗に「制度」と言うような形にしているとも考えられる。一般的な「恋愛」は万国共通、と言いたいところだが、国や時代によって、恋愛の形は異なってくる。本書は古代から中世、さらには日本や欧州など、様々なケースで持っての […]

沢村栄治 裏切られたエース

プロ野球の賞の一つに「沢村賞」がある。これは先発投手の中で最も活躍した人に与えられる賞である。この「沢村」は本書で取り上げる沢村栄治からとられている。戦前のプロ野球界に燦然とした活躍をしながらも、大東亜戦争にて戦死した沢村。その沢村の野球観現在も行われているプロ野球(本書では「職業野球」と記載している)の初期の歴史を取り上げている。 第1章「沢村栄治と正力松太郎」 沢村は1917年三重県に生まれ、 […]

好循環のまちづくり!

最近では新型コロナウイルスの感染拡大により、国・都市・地方関わらず対応に追われ、まちづくりをおこなうにも労力が割かれ、なかなか実行するにも前に進むことができない現状にある。 しかしながら街づくりをどう行うか、そして活気のあり、好循環をもたらすようなまちづくりはどのような事例があるのか、そのことについて取り上げているのが本書である。 第1章「まちづくりのホップ、ステップ、ジャンプ!」 とある歌のこと […]

悪漢(ワル)の流儀

戦後最大の経済事件として扱われている「イトマン事件」。その首謀者の一人が本書で紹介する許永中である。許永中はフィクサーとして裏から世界を支えていった。表舞台に立つことは少なく、イトマン事件で初めて出てくることになったとも言える。 現在は経済事件における服役を終え、韓国・ソウルに在住している。かつては日本で活躍したことから在日韓国人の代表格としても扱われることがあった。その許が自ら人生と、様々な交友 […]

ナショナリズムを陶冶する ドイツから日本への問い

政治思想は「~イズム」などの用語が多数ある。特に言われているのが「ナショナリズム」であるのだが、ようは「民族主義」や「国家主義」と呼ばれており、自国を中心とした考え方を表している。よくニュースの政治思想でも、直接「ナショナリズム」を出すようなことはそれほどないものの、それに近いニュアンスで出されることも度々ある。 ではナショナリズムはどうやって「陶冶(とうや、才能・技術をつくり上げていく)」してい […]

大阪万博の戦後史―EXPO’70から2025年万博へ

先の話になるのだが、2025年に大阪万博が開催される。かつては1970年に開催されたのだが、55年の時を経て再び開催されるのだから、機運は高まるはずであった。しかし開催されだしたときはムードは高まっていったのだが、新型コロナウイルスや東京オリンピックなどにより、沈静化している印象がある。 また万博のロゴも発表され賛否両論があり、特にムックは「あれっ?わたくしかな?」とツイートしたことはあまりにも有 […]

柔の道 斉藤仁さんのこと

現在はJOC(日本オリンピック委員会)の会長である山下泰裕だが、現役時代は柔道選手として世界選手権3連覇(うち1回は2階級制覇)、84年ロサンゼルスオリンピック金メダルを獲得するなど柔道の絶対王者としての活躍をした。 その山下と同時かその後に活躍したのが本書で紹介する斉藤仁である。斉藤は山下が金メダルを獲得したロサンゼルスオリンピック、その4年後のソウルオリンピックで金メダルを連覇し、山下のライバ […]

古典籍の世界を旅する―お宝発掘の目利きの力

本書は「古典籍」と呼ばれるものを紹介する一冊である。古典籍とは、 日本の古典籍は,慶應4年(1868年)以前に日本で出版・書写された書籍で,内容・形態がともに優れ価値が高い書物のこと「コトバンク」より抜粋 とある。つまりは江戸時代以前に残っていた活字・印刷物を表している。よく美術館・博物館などで展示している鳥獣戯画をはじめとした巻物もまた古典籍のひとつである。本書は歴史学的にも価値の高い「史料」と […]

古代日本の官僚―天皇に仕えた怠惰な面々

「官僚」と言うとかつては槍玉に挙げられる代表格としてあったが、現在は日本の根幹を支える部分、もといブラック企業の代表格というイメージもある。 「官僚」というと明治時代に今のような「議会」などの政府が作られたときから生まれたのかと思いきや、実は古代から天皇に使えていた方々が「官僚」と呼ばれていた。とはいえ官僚の中には貴族などの上級官僚もあれば、その下の下級官僚も存在した。中でも下級官僚は朝廷や天皇に […]

英もよう 女形ひとすじ 二代目英太郎の生涯

本書で紹介する人物は演劇、特に新派をご覧になる方々以外は馴染みが薄いかも知れない。劇団新派の俳優でありつつ、新派を越え、歌舞伎などの外部の公演でも女形を貫き、演じてきた。その俳優の名は二代目英太郎(はなぶさ たろう)である。新派では波乃久里子や二代目水谷八重子ら女優もいるのだが、男優でありつつ女形を貫いた数少ない俳優であった。2016年に逝去しているため没して5年経つが、英太郎がどのような生涯を貫 […]