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国際

アフリカ紛争国スーダンの復興にかける 復興支援1500日の記録

スーダンの情勢は今混迷を極めている、スーダン南部では、2011年に長い内戦の末に「南スーダン共和国」を誕生した。それでも内戦がずっと続いており、難民が絶えず、外国からの支援も全くと言ってもいいほどできておらず、四面楚歌と言っても過言ではない。しかし、プロローグに「夜は長すぎるが、朝は必ずやってくる」と書いてある通り、それを信じて、復興支援を行い続けている方々がいる。本書はJICA(Japan In […]

世界最悪の紛争「コンゴ」

コンゴ民主共和国(以下:コンゴ)では、2007年8月にウガンダ側の「ヘリテージ・オイル社」とコンゴ側とで、石油を巡り、交戦状態にあった。事実上のウガンダとコンゴの「戦争」と呼ばれるような状態であった。この紛争は現在も続いており、毎年4万5千人ほど命を押しているのだという。ただ、一つの光明が見えたのは今年の2月、国際連合による「安定化協定」がコンゴやルワンダを中心に調印されたことにある。しかしそこに […]

イランとアメリカ~歴史から読む「愛と憎しみ」の構図

イランとアメリカの関係は「核開発」の観点から冷え切っている。それは前のブッシュ政権のころから、もっと言うと、イランの大統領にアフマディネジャドが就任した時からの事である。しかし、その発言以前はイランとアメリカは良好な関係にあり、79年の「イラン革命」の時にはイラン人がアメリカに亡命する人が多かったと言われている。 イランとアメリカの関係は、なぜ冷え切ったのだろうか、そしてオバマ政権2期目の時のイラ […]

中国「反日」の源流

今は韓国が多いのだが、反日報道があとを絶たない。とは言っても日本でも韓国に対する「ヘイトスピーチ」が起こっており「一触即発」と呼ばれる事象が続いている。 本書は中国における日本の「反日」にまつわる考察を行っているのだが、反日は歴史認識や尖閣諸島が主軸となっているのだが、これは今に始まったことではない。戦前、いや中世からずっと「反日」「排日」「抗日」「侮日」などの行動はあった。本書はその源流について […]

シリア~アサド政権の40年史

3月31日にも書いたのだが、シリア騒乱は終わる気配が見えていない。むしろ激化の一途をたどっており、国際問題にまで発展している状況にある。 本書はシリアの歴史・社会・現状について元シリア大使として4年間いた経験を駆使して、シリアの現状、そしてアサド政権の現在・過去・未来について分析している。 第一章「吹き荒れた春の嵐」 「春の嵐」というと4月2日夕方~3日あたりまで全国的に起こった嵐のことを指してい […]

1968―世界が揺れた年

「1968」 その年は世界的にも激動の年であった。これまで当ブログでは日本、アメリカ、そしてヨーロッパ各国について取り上げたが、本書はその総集編というべきところで1968年が始まったときから「プラハの春」、メキシコオリンピックが開催された「夏」から、アメリカ大統領選挙が行われた「秋」と時間を追って取り上げている。 <前編> 第一部「われらが不満の冬」 「革命前夜」という言葉がある。ここから来るであ […]

レッドマーケット~人体部品産業の真実

「人体部品産業」 日本にいる私たちにとっては想像すらできない市場が存在する。人の骨や臓器、血液や髪、精子や卵子、さらには人そのものにいたるまで売買されている。 誰もが目を覆いたくなるような市場はどのように蠢いているのか、世界の「闇」に潜む市場の真実が今、本書にて明かされる。 第1章「蹂躙される死体」 最初の舞台はインド。ある転落死した学生が死後から墓に入るまでのプロセスを描いている。そのプロセスの […]

1968年―― 反乱のグローバリズム

「1968年」 この年は世界中で「激動」と呼ばれる年であり、先進国では「冷戦」の絶頂期といえる年であった。その年は世界中でいろいろな革命や運動が起こり、それぞれで混乱に陥れられた時代と言える。 日本では「大学紛争」や「全共闘運動」を発端とした抗議運動や紛争が起こり、新左翼による事件もいくつか起こった。こちらについては昨年夏に取り上げたシリーズ「1968年を知らない人の『1968』が詳しい。 本書は […]

市民がつくった電力会社~ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命

2011年3月11日の東日本大震災、そこから発生した「福島第一原発事故」を機に発電エネルギーとして自然エネルギーにシフトしていった。とりわけ「太陽光発電」の需要は急速に伸び、民家やオフィスにソーラーパネルを取り付けるところも増えていった。 原発事故を機に電力会社不信も高まり、あたかも「差別」の如く扱われているようだ。そこで本書である。ドイツの南部、シュバルツバルトと呼ばれる地方にある小さな町「シェ […]

カブーム!――100万人が熱狂したコミュニティ再生プロジェクト

「子どもが安心して遊べる場所がない世の中なんて、おかしいじゃないか」(本書カバーより) 本書は米国の子どもたちを憂いから記しているのだが、これは日本でも通じる物がある。銃社会であるアメリカとは違い、安全な印象をもたれるが、物騒になりつつある日本では不審者が子どもたちに危害を加えることも少なくない。ましてや最近ではビデオゲームをする子どもが多く、むしろ外での「遊び」を求めない子どもが多いのかもしれな […]