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民俗・風評

塩の文明誌―人と環境をめぐる5000年

皆さんは「塩」についてどのようなイメージを持っているのだろうか。 良いイメージだとすれば「生命の源」「海」「ミネラルの宝庫」というのがある。 反対に悪いイメージだとすれば「高血圧の元」「摂り過ぎ注意の物」というのがある。 良くも悪くも「塩」というのは何かしら印象があるというのはある。では「塩」はどのような歴史をたどってきたのか、そしてどのような価値であったのだろうか。 本書は「塩」についてありとあ […]

怪異の風景学―妖怪文化の民俗地理

梅雨が明けるといよいよ夏本番である。うだる様な灼熱地獄が来るのかというと嫌になる今日この頃であるが、そんな暑さを吹き飛ばすものとして代表されるのが怖い話と言った怪談である。怪談と言うと稲川淳二や小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)というのが思い浮かべると思うが、アニメや漫画、映画やドラマを問わず、怪談話というのは枚挙に暇がない。 また怪談に関する民俗学もいくつか出されており、怪談と最近の日本文化という […]

牡蠣礼讃

牡蠣は「海のミルク」を呼ばれており、影響かが高いことはよく知られている。魚介類の好きな私にとっても牡蠣は好物の一つであるが、小さい頃は生牡蠣が食べられなかったという苦い思い出もある(確か小学校低学年の時だった)。 本書は三陸沖で牡蠣の養殖をしている人が世界の牡蠣と、自ら牡蠣漁師としての人生を綴った作品であり、知られざる「牡蠣」の謎についてこれでもかというほど詳しく書かれた一冊である。 第1章「Rの […]

涙の文化学―人はなぜ泣くのか

「悲し泣き」「嬉し泣き」「怒りの涙」「感動の涙」 「涙」というのはいろいろな表情から使われることがある。「喜怒哀楽」という四字熟語があるが、「楽」以外はすべて涙は当てはまる。「涙」は悲しいことだけではないということがよくわかる。 では「なぜ泣くのか」ということを考えると、理由のある涙もあれば、訳も分からず涙したというのもある。本書は文化・美術・文学の観点から「涙」について考察を行っている。 Ⅰ.「 […]

GO!GO!ベジ+ごはん

五十嵐豪氏の最新刊である。 野菜を使って料理をするとはいっても、その人が野菜嫌いであったり(私はそうじゃありませんが)、家族持ちであれば子供が嫌いだったりと何かと敵視される。 料理を作る方も作る方で煮たり焼いたりするのにも時間の加減が分からなかったりと扱いにくい。さらに忙しい人だとなおさらで野菜で料理を作るという時間がないという不満も出てくる。 しかし本書は野菜の良さばかりではなく、野菜を使って簡 […]

おたくの起源

皆さんは「おたく」ということばをどう受け止めるだろうか。ごく固まってしまったもので言うと「デブでメガネかけていて、それでいて美少女系のアニメや漫画が好き」というイメージであろう。ではこの「おたく」という言葉、イメージはどのようにしてできたのか。本書はその期限を追求した一冊である。 第一章「母体としてのSF」 「おたく」というのを語る前提として避けて通れないのが「SF」である。SFにおける「おたく」 […]

お葬式―死と慰霊の日本史

「日本は死者の国である」 これは怪談で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が日本のことについていった言葉である。日本人は宗教によっては違えど、大概はお葬式は葬儀業者に頼んで通夜・告別式を経て四十九日というような順序で亡くなった人への供養をするという慣わしである。 このお葬式はどのような経緯でこうなっていったのか、民俗学的観点から考察している。 Ⅰ.「死と葬儀の歴史と民俗――高野さんの安居会公演よ […]

風呂と日本人

おそらく「風呂」という沐浴文化がある国は非常に少なく、日本はその一つにあるが、宗教性よりも、日課・レジャーの要素が多岐にわたる「風呂」文化があるのは日本ぐらいであろう。今となっては観光として温泉を愉しんだり、家庭でも戦闘、もしくは楽しみや癒しのための入浴剤があるほどである。単に風呂と言っても楽しみ方は人それぞれである。 ではなぜ日本にはこのような「風呂」の文化が栄えたのか、もともと「風呂」の起源は […]

ジャパンクールと江戸文化

ジャパンクールについては取り上げたばかりで(「ジャパンクールと情報革命」)、しかも江戸文化と共通するところがあるという考察がされている内容も含まれていたのだが、偶然というのは恐ろしいものでそれを銘打った本がほかにあった。本書は今大流行している日本アニメ・マンガの「ジャパンクール」とこちらも流行となっている江戸文化の関連性について考察している一冊である。 第1章「ジャパンクールから見える江戸文化」 […]

江戸人のしきたり―日本橋、天麩羅、三社礼、寺子屋、歌舞伎、吉原…日本人の知恵と元気の源泉

江戸時代というと様々な文化が栄えた時代でもある。しかし鎖国状態であったため海外からの文化を取り入れるということではなく、日本独自に築き上げた文化であったため、幕末に外国からきた者たちは非常に珍しがり、かつ畏敬の念を払ったとも言われている。その江戸文化は落語の世界、とりわけ古典落語の世界から存在しているため、江戸文化というのはわりととっつきにくいというわけではない。本書はその中から江戸人のしきたりを […]