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民俗・風評

競馬と鉄道 – あの“競馬場駅”は、こうしてできた

明けましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。新年最初の書評はこちらです。 年末になると競馬のG1をはじめとした重賞のレースが開催されることが度々ある。そもそも「競馬」とひとえにいっても、地方競馬を含めると、至る所でレースが行われる。その中でも賭事として予想を当てるといったことを行う方々も多くあり、予想を当てるのを確認する、あるいはレースを楽しむために競 […]

ヒョウタン文化誌――人類とともに一万年

ヒョウタン(瓢箪)というと、独特な形の実をイメージしてしまう。もっともシンボルとしても、道具の一種としても用いられており、歴史の長さからすると1万年ほどである。もっとも道具として加工されただけでなく、栽培植物としても数多くある植物の中で最古のものがこのヒョウタンであるのだという。本書はめくるめくヒョウタンの歴史と芸術、文化などのルーツを追っている。 第1章「ヒョウタンを求めて」 ヒョウタンのルーツ […]

毎朝、服に迷わない 秋/冬 暖かいのにおしゃれになれる

私自身ファッションに無頓着であるのだが興味は持っている。その「興味は」というのはる程度の好奇心はあれど、なかなかどのようにしたら良いか分からなくなってしまう。もっとも長らく無頓着だったことから、ファッションについても少しは勉強してみようと思う。 ちなみに本書であるが、本書は女性向けであるため、男性である私としてはあまり適さないかもしれない。とはいえ「もし男性であれば」と言う観点で見ていくと参考資料 […]

カリスマフード―肉・乳・米と日本人

食べ物としては和夫奥の種類があるのだが、健康志向における食糧としては「ファッションフード」と呼ばれる一方で、人としての能力や健康の効力をもたらす「カリスマフード」と呼ばれるものがある。そのフードのあり方について取り上げているのが本書である。 第1章「肉」 もともと肉は日本人と縁遠かった存在と思われた。その「縁遠い」といえたのは牛肉などが宗教的な「禁忌」により食べることが禁じられたこと、さらには江戸 […]

「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ

食は人間以前にも動物でも草・肉など種類によって食べられてきたのだが、その「食」の在り方は人間と同じように進化してきたと言える。それは人間の生物的な進化はもちろんのこと、文明的、あるいは産業的、技術的など分野を超えている。その「食」は未来どのような進化を遂げているのか、サブタイトルにあるような進化も含めて取り上げているのが本書である。 第1章「「未来の料理」はどうなるか―料理の進化論―」 もっとも「 […]

タマネギとニンニクの歴史

メインになるようではない食材であるのだが、欠かさない要素となるものもある。それは本書で紹介する「タマネギ」と「ニンニク」である。料理をする際の材料の一つでもありながらも、伝承でも使われることのある2つはどのように誕生し、歴史を辿っていったのか、そのことを追っているのが本書である。 第1章「古代のアリウム属」 タマネギもニンニクも歴史は相当深く、古代メソポタミアや古代エジプトの時代にまで遡る。スープ […]

ふるさとをつくる―アマチュア文化最前線

地域文化は往々にして新しいものが作られたり、逆に廃れたりするようなことがある。もっとも文化の中には「変化」をしながら数十年、数百年といった長い歴史でもって続けてきたものもある。本書はその中でもアマチュアがつくった地域文化を取り上げていくのと同時に、文化についての開拓と維持、繁栄について取り上げている。 第1章「地域文化の開拓者たち」 本章では主に北海道のお祭りや大会などを取り上げているが、中でも最 […]

かみさまのおはなし

日本神話としての物語はいくつもあるのだが、その中でも最も有名なものとして「古事記」がある。神話を取り上げているのだが、それと同時に「日本最古の歴史書」として挙げられることが多く、奈良時代になったばかりの712年につくられたと推定される。 その「古事記」における話について子どもたちへ親しめるため、絵本に仕立てた一冊であり、元々は1940年に出版された「カミサマノオハナシ」を現在にあわせて復刻した一冊 […]

死者と先祖の話

かつて小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが「日本は死者の国」と述べたことがある。それは日本は生も死も地続きであり、なおかつ神様も死者も同じ場所に同居し、なおかつ祀られるといったことを表している。そのためか、死者にまつわる話については宗教の話で語られることはもちろん、日本では民俗学の中でも語られることがある。それは祭礼の所にも含まれるためでもある。 死者と先祖を民俗学の世界ではどのようにして考察してい […]

発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

日本では発酵食品が数多く、親しまれているのだが、そもそも発酵もまた「文化」の一つとして挙げられる。もっとも発酵技術はなぜつくられ、広まっていったのか。そして経済的、文化的な影響とはどこにあるのか、本書は「発酵文化人類学」という本書に出会うまで一度も聞き慣れなかった学問をもとにして考察を行っている。 PERT1「ホモ・ファーメンタム」 元々発酵の歴史を辿ってみるとワインがあり、考古学的に考えていくと […]