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法律

名誉毀損―表現の自由をめぐる攻防

日本国憲法第21条には「表現の自由」が保障されている。その一方で刑法230条第1項にて名誉毀損罪があり、他人の権利などを侵害・損害を被るような発言・行為を行った場合、懲役・禁錮・罰金刑が課される法律である。ほかにも名誉毀損は刑法だけではなく、民法上でも「不法行為」にあたり、損害賠償責任を負う側面も存在する。 法律を3つ提示したのだが、実際の所「表現の自由」と「名誉毀損」の線引きはいったいどこにある […]

「ネットの自由」vs.著作権~TPPは、終わりの始まりなのか

ネットが隆盛し、YouTubeなどの動画共有サイト、さらにはブログやSNSなど個人で発信できるサイトが色々と出てきている。色々投稿できる、表現できるのだが、そこには必ずといってもいいほど「著作権」が議論の的になる。 この「著作権」について、ネットの自由と著作権はいつも議論になるのだが、昨今行われているTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉が大 […]

マンガはなぜ規制されるのか – 「有害」をめぐる半世紀の攻防

日本のポップ・カルチャーの代表格としてマンガやアニメ作品が挙げられる。数十年にわたって日本のみならず、海外でもブームが起こっており、日本文化の一つとしても挙げられている。 しかし、その中でもマンガは東京都の「青少年条例」や国の「児童ポルノ法」の槍玉に挙げられ、前者はすでにマンガのキャラクターなど「非実在青少年」も対象に挙げられている。 本書はその「規制」について問いを投げている。 第一章「ドキュメ […]

感情労働と法

「感情労働」という言葉はあまり聞き慣れないが、笑顔を売るようなサービス業の方々のことを指すとなると確かにその通りかもしれない。日本の職業で言うと看護師やCA、介護士など人との接客に関わる方々の労働のことを指している。その感情労働についても様々な「法」とそれらの「解釈」がまとわりついてくる。本書はその「感情労働」について、とそれを守る、あるいは規制する「法律」との関係について考察を行っている。 第1 […]

変革期の地方自治法

地方自治そのものが注目され始めたのは1999年の「地方自治法」改正にある。それ以前にも「地域振興券」など「地方」にスポットライトを浴びる機会はあったものの、最近ではメディアの注目も増えていることから地方自治の改革がこれまで以上に重要視され始めたと言っても過言ではない。あれから10年以上の月日が流れ、メディアから取り上げられた地方自治は「大きく変わった」という感覚があるのだが、実際はどうなのか、本書 […]

編集者の危機管理術~名誉・プライバシー・著作権・表現

月に1回以上セミナーなどのイベントに出没する私は編集者にお会いすることがある。編集者の方々の話を聞くと、編集者同士、もしくは作家とのやりとりに関するエピソードなど、ブログでは書けないような四方山話もある。その話を聞くだけでも面白い。 私事はさておき、編集者の仕事は作家が書かれた話を編纂する、もしくは出版社の企画会議に出すなど様々であるが、その編集者も著作権やプライバシーなどの「危機管理」の仕事もあ […]

著作権2.0 ウェブ時代の文化発展をめざして

このごろ「著作権」に大きな関心が寄せられている。その大きな要因の一つとして「Web2.0」の誕生と隆盛が挙げられている。急速な技術革新により、著作権保護などの方の整備が追いついていない現象が起こっている。 それどころか技術革新と著作権保護そのものが対立関係にあるように見えており、「タマゴが先か、ニワトリが先か」という不毛な議論になることも少なくない。 本書は「Web2.0」と著作権の現状、そしてこ […]

文化のための追及権─日本人の知らない著作権

これまで当ブログでは「著作権」にまつわる本をいくつか取り上げている。技術の進化により、著作権そのものが問われ始めている。 しかし本書で紹介される「追及権」というのは初めて聞く。ましてや本書に出会うまで「つ」の字すら知らなかった。「追及権」とはいったい何なのか、本書は著作権そのもののメカニズムとともに解説している。 第一章「芸術家は貧しいのか」 著作権の話にはいる前に元々芸術家はどのようにして生活を […]

著作権という魔物

「著作権」は誰のためにあるのだろうか。 法律的な建前上では「著作者」のためにあるのだというが、果たして「著作者」とはいったい誰のことを指しているのだろうか。 それを聞く理由として「著作隣接権」など「著作権」から派生する歪なものまである。本書のタイトルにある「著作権」は止めようのない暴走した「魔物」と化しているようにしか思えなくなる。 本書は著作権の現状と、これからのメディアやコンテンツがどうあるべ […]

佐藤さんはなぜいっぱいいるのか? 身近な疑問から解き明かす「商標」入門

水野俊哉様より献本御礼。 世の中には様々なブランドがある。その中にはまねや類似のできない「商標」として扱われているものもある。「商標」とはいったい何なのか。調べてみると、 「商品を購入し、あるいは役務(サービス)の提供を受ける需要者が、その商品や役務の出所(誰が提供しているか)を認識可能とするために使用される標識」(wikipedia より) となる。 本書のタイトルはかなりインパクトはあるが、世 […]