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法律

差別禁止法の新展開―ダイヴァーシティの実現を目指して

日本には「男女雇用機会均等法」をはじめ、差別を禁止するという法律が多々存在する。さらに差別の撤廃を訴える学会や運動団体というのも世界中に山ほどある。 ではなぜ差別というのが起こるのだろうか、本書の表題のように差別禁止法を展開できれば差別のない社会ができるのか。差別のない社会は果たして「幸せ」なのだろうか。本書を読んでいると中に去来した考えである。 第1部は序論であるが、ここでは今日起こっている様々 […]

著作権保護期間―延長は文化を振興するか?

現在日本における著作権の保護期間は存命期間及び死後50年である。現在はそれほど目立ってはいないがこの保護期間を70年にしようとする動きもある。実際現在では据え置かれる状態であるが権利者を守るためという理由で20年延ばすべきだろうか、被権利者の権利を守るために延ばさざるべきかというのは分かれている。 しかしその議論に関しては権利者側でも著作権保護が大多数ではなく「保護期間延長派」「保護期間据置き派」 […]

個人情報「過」保護が日本を破壊する

今、プライバシーの権利にかかわる事件が急増している。しかしプライバシーの権利や個人情報保護法にとらわれすぎていて、社会全体が窒息しかねないと警鐘を鳴らしているのが本書である。情報保護に関する問題は何もコンピュータ情報流出に限ったことではなく、福知山線の脱線事故のときにも安否確認ができない状態となった。 これも個人情報保護法の弊害とも言われている。さらには阪神淡路大震災でも別の部分で理由があるものの […]

その死に方は、迷惑です

本書は遺言書の作法と重要性についてを中心に死に直面することに向けてもろもろの準備を始めるための1冊である。遺言書と言えば死を目前にして予め遺書を用意するというイメージが強い。昨今高齢社会となっている世の中、遺言書は非常に重要視されそれの公正性を証明するために公証人仲立ちのもとで作成することで公証人市場はだんだん儲かるのではないかと邪推する。 本書が言うには遺言書は老人が大往生するために遺産相続を行 […]

日本の刑罰は重いか軽いか

本書は日本の刑罰と中国の刑罰を比較して、日本の刑罰の実情について書かれている。本書を読んでみると中国の刑罰は非常に狭いことには驚いた。しかし逮捕されると厳罰が待っている、つまり中国の刑罰は非常に狭いが死刑にかかわる罪が非常に多く毎年1000人以上死刑執行されていることも明らかになっている。 では日本は一体どうなのか。日本は中国と逆で逮捕される罪の範囲が非常に広いが刑罰自体はそのほとんどが軽い。しか […]

性表現規制の限界

1999年に制定された「児童ポルノ法(通称:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)」、2004年に改正されているが、単純所持禁止は盛り込まれてはいない。その単純禁止についてはアニメ・漫画・ゲームも盛り込むべきだという人もおり、単純所持禁止の意義が問われている。 そこで本書である。本書は表題のとおり性表現規制の限界をアメリカ・日本の判例を交えながら言及している。 アメリ […]

インターネットの法と慣習―かなり奇妙な法学入門

まず、疑問に思ったのは目次の後の著者の写真。何か「世界のナベアツ」に激似のような…。それは置いといて、本書は著者本人が述べられているようにインターネットと法を学会で発表できないような駄文でとあるが、実際読んでいる本人にとっては非常に面白くできていると思った(ちなみに著者自身は大学准教授である)。 さて、本題に入るがインターネットの世界で法律がないと言っている人も多いが、事実条文化されているが、罰則 […]