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国内経済

午後6時の経済学

「午後6時」というタイトルが特徴的である。「午後6時」というと大体就業時間を迎え「アフター5」ならぬ「アフター6」となり、ビジネスマンによっては勉強や他の仕事の時間、さらには仲間内での飲み会などで消費するような時間に充てられる。しかし最近は「不況」と呼ばれるせいか、終業後も仕事で残ることもあれば、まっすぐ自宅にもどり、夕食後は家でゴロゴロする、という人が多いように思える。 本書は戦後日本の一日の喩 […]

日本農業の底力~TPPと震災を乗り越える!

洋泉社様より献本御礼。 日本の農業は今、危機にさらされている。日本の食料自給率は平成22年現在でカロリーベース39%(農水省発表「食料自給率の推移」による)、さらには東日本大震災により、東北地方を中心に農業の生産高はかなり落ちており、食糧自給率は落ち込むことはほぼ確実視されている。そう考えていくと農業は衰退の一途をたどっているように思えてならない。では、農業の衰退している本当の理由はどこなのか。或 […]

デフレと超円高

現在では小康状態になったとはいえ、昨年末には1ドル76円を上回るほどの「超円高」の現象が起こっている。その原因はヨーロッパの財政危機によりドルやユーロの価値が失われたところにある。 円の価値が高まりつつある日本であるが、経済は逆に下り坂の一途をたどっている。リーマンショックから立ち直りかけたつかの間、東日本大震災や先述のヨーロッパの財政危機などの二重苦と呼ばれる状況にある。 本書は超円高によるデフ […]

日本経済の構造変動―日本型システムはどこに行くのか

日本経済は混迷を極めている。先ほどでも外国為替市場の円相場は戦後最高値を更新し、輸出だよりである製造業界では大きな痛手を負ってしまった。「失われた10年」から解放された今でも日本は「閉塞感」が拭えない。かつて江戸時代では「鎖国」により他国との関係を絶っていたが、この閉塞感では他国どころか他人との関係をも絶っている印象が強い。 与太話はここまでにしておいて、本書では日本経済の構造の変化について追って […]

消費社会のゆくえ―記号消費と脱物質主義

「消費社会」というと「モノの消費から、ココロの消費に変わった」と言うのがおきまりの文句になってしまうのだが、今し方そうなっていると言っても仕方がない。「贅沢」に関してもそのことが言える。 本書もそれと同じことを言っているのだが、「記号消費」と「脱物質主義」の二本柱で「モノ」から「ココロ」への変遷を紐解いている所が特長にある。 かつて「モノ」に関してはそれほど恵まれていなかった。大量に買えるモノから […]

震災恐慌!~経済無策で恐慌がくる!

(株)スタジオビビ 乙丸様より献本御礼。 東日本大震災が起こって約2ヶ月経つ。余震の心配が薄れてきたとは言えまだ油断のできない状態にあることは間違いない。しかし復興に向けて一歩ずつではあるが動き出していることは事実である。 震災によって多くの尊い命、財産が失い、経済も多大な損失を受けた。復興と同時に経済も復活に向けて前進すすしかないのだが、本書はこの震災によってリーマン・ブラザーズを凌ぐほどの大恐 […]

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ

高度経済成長、「失われた10年」、戦後最長の好景気、リーマンショックと経済が善し悪し問わず流れていったのだが、「失われた10年」以降は経済的な成長が鈍化、もしくは後退をしている。景気と言うよりも「成長」という課程で「成熟化」したと言える時代となったといえる。 本書は経営で言う「成熟期」を迎えた日本でどのように経済、国家を運営していけばよいのかを考察しながら提言を行っている。 「成長」や「前進」と言 […]

榊原式シンプル思考力

情報があたかも濁流のように氾濫し、かつ複雑化している時代からでこそ「シンプル」に考える力が必要であるという。 しかし「シンプル」に、とは言っても単細胞のように考えろと言うのではなく、時には論理的に、時には水平的に「わかりやすく」かみ砕いていく事が重要である。そのことによって複雑に物事が絡んでいた物も解きほぐしていくことによって「シンプル」な答えを見いだしていくことができる。 本書は「ミスター円」と […]

消費税をどうするか―再分配と負担の視点から

消費税を増税するかの論議が急がれている今日この頃である。過去の政治政策による赤字国債も増え続け、現在では約950兆円にも上るほどである。そのためか国債の格付けランクも下がり、IMFからも赤字解消の督促まで上がっている始末である。 さて本書である。消費税は1989年、ちょうど平成に入った頃に導入され、銀行ショックなどあった1997年にも5%に引き上げられている。しかしそれから14年の間に消費税の変動 […]

サブプライムから世界恐慌へ 新自由主義の終焉とこれからの世界

サブプライムローンの焦げ付き問題が発生したのは2007年夏頃、世界恐慌こと「リーマン・ショック」が起こったのは2008年秋だった。その頃からか経済は急速に衰退し、資本主義のあり方も問われだした。本書はそれの要因について様々な考察を行った一冊である。 結論からいうと「社会主義」が誕生するだろうといっているが、日本は元々「民主主義」は標榜しているものの、「社会主義」のような国家形態だった。当ブログで何 […]