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国際経済

おいしいコーヒーの経済論――「キリマンジャロ」の苦い現実

「缶」にしても、「インスタント」にしても、「ドリップ」にしても私たちの中で愛されているコーヒー。かく言う私もホットコーヒーを飲みながら書いている。毎日缶コーヒーやインスタントコーヒーを飲まないと気が済まないため、コーヒーを飲まない日はむしろ珍しいほどである。 そのコーヒーにまつわる貿易や経済については当ブログでも何度か紹介したことはあるのだが、本書はその中でも有名な「キリマンジャロ」の銘柄から経済 […]

コーヒーを通して見たフェアトレード―スリランカ山岳地帯を行く

「フェアトレード」は簡単に言うと「公正な貿易」のことを言う。貿易立国と呼ばれる日本ではもはや「あたりまえ」と呼ばれるようなものであるが、バブル景気前後にはアメリカとの「貿易摩擦」などにより「ジャパンバッシング」が起こった記憶があった。それからだんだん「フェアトレード」の意識が高まった。 あらましはそこまでにしておいて、本書ではその「フェアトレード」についてスリランカ山岳地帯から生産されるコーヒーを […]

ザ・パニック~1907年金融恐慌の真相~

3年前の恐慌は「100年に1度の恐慌」と言われており、1929年の「ブラック・サースデー」と比べられることが多い。しかしノーベル賞受賞の経済学者は今回の恐慌と類似点があるのはむしろ「1907年の金融危機」と類似点があると指摘している。これについて取り上げたメディアは少ないおろか、そもそも「1907年金融恐慌」について知る人は果たしているのだろうか、と言うのも疑問に思えてならない。「リーマン・ショッ […]

世界連鎖恐慌の犯人

2008年9月にアメリカ投資会社として有名な「リーマン・ブラザーズ」が破綻し、それとともに世界連鎖恐慌が始まったと言われている。しかしそれ以前にもサブプライムローンの焦げ付き問題によりアメリカの経済が低下し始めたことからそれより前にあったのではないかという意見もある。 本書は世界連鎖恐慌に陥った原因と犯人について迫っている。 第一章「この金融危機は誰にも止められない」 リーマン・ショック以後、倒産 […]

クルーグマンの視座―『ハーバード・ビジネス・レビュー』論考集

本書は2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・グルーグマンが今から14〜6年前にハーバード・ビジネス・レビューに寄稿した論文とインタビューをまとめたものである。ちょうどその時は民主党政権であり、ビル・クリントンが大統領であったときである。ちょうど日本では「失われた10年」の真っ只中であり、鎮静化されているものの「ジャパン・バッシング」の火種がくすぶっていた時代でもあった。グルーグマンは「失わ […]

資本主義のコスト

洋泉社様より献本御礼。 2008年10月の「リーマン・ショック」により、経済は世界的に減衰してしまった。今は落ち着きを取り戻し、景気も上向きになりつつあるのだがまだまだ油断できない状況である。この急激な景気後退により、「資本主義の崩壊」といった「資本主義」に関する本が続々と出てきており、資本主義の在り方と言うのが問われたのもこの時期である。この資本主義という言葉が用いられ始めたのは19世紀のころで […]

失墜するアメリカ経済―ネオリベラル政策とその代替策

昨年10月にアメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズが倒産し、世界恐慌がはじまった。もともとアメリカのサブプライムローンの焦げ付きから端を発したものであるが、世界的に景気が冷え込んだのがちょうどこのころであったのではじまった時が前述の時で差支えないだろう。 アメリカはサブプライム問題までは世界一の経済大国として各国に猛威をふるっていた。「大国」という言葉をまかり通らせるほどの軍事もさることながら […]

石油の支配者

今は世界恐慌の煽りを受けて落ち着いているが、そうなる前までは原油高の高騰が深刻な問題として挙げられた。近くのガソリンスタンドでは1リットルあたり180円台後半までいったほどである。 本書は原油生産に関する政治的な駆け引きと、原油高の高騰の元凶とメカニズムについて迫っている。 第一章「原油価格高騰の真相」 半年前であったか、石油に関して営業を行っている人と呑む機会があった。その時に原油高の高騰につい […]

金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス

サブプライムローン問題から1年経った。その1年経った今でも景気回復のめどは立っておらず、サブプライムローン問題の解決の糸口すら見出していない状況である。 本書はそういた問題はもとより金融に関する様々な権力について書かれている。 最近投資ブームといわれて久しい。特にそれほど年収の稼いでいない人でも株をやって儲けたという話をよく聞く。私は一切やる気はないのでそれはどうでもいい話だが、事実そういうおいし […]

サブプライム問題の正しい考え方

昨年の夏からアメリカの住宅ローン市場が急速に減衰した。その背景はサブプライムローンの焦げ付きによるものである。その損失のよる累積は2000〜3000億ドルにもなるほど大規模なものとなった。これにより世界的にも経済が減速しており、中でも中国をはじめ急激な経済成長を遂げた国は大打撃を受け、経済は大きく減衰したとされている。 日本も例外なく下り坂になったがほかの国と比べて下げ幅は小さかった。とはいえ打開 […]