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社会

住む人が幸せになる家のつくり方

人間が生活できる重要な要素として「衣食住」がある。その中でも「食」と「衣」は重要性とその方法について様々な本がある。「住」は、その重要性を説いた本はあまり見かけない。勤務地の関係から、もしくは家族の関係から住まいを選ぶ、もしくは家賃から選ぶ等様側の事情があり、幸せのために選ぶという基準はあまりないように見受けられてしまう。 本書は、家の作り方もしくは選び方を「幸せ」や「成功」を基準にすることを推奨 […]

市民がつくった電力会社~ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命

2011年3月11日の東日本大震災、そこから発生した「福島第一原発事故」を機に発電エネルギーとして自然エネルギーにシフトしていった。とりわけ「太陽光発電」の需要は急速に伸び、民家やオフィスにソーラーパネルを取り付けるところも増えていった。 原発事故を機に電力会社不信も高まり、あたかも「差別」の如く扱われているようだ。そこで本書である。ドイツの南部、シュバルツバルトと呼ばれる地方にある小さな町「シェ […]

栃と餅~食の民俗構造を探る

あけましておめでとうございます。 今年も「蔵前トラックⅡ」をよろしくお願いいたします。 新年一発目の書評はお正月にまつわる「お餅」についてです。 新年で最初に食べるもの、それはおせちと並んで「雑煮」である。雑煮の作られ方・食べ方は地方によって異なるものの、多くは「餅」を雑煮の中に入れて食べる。「餅」と言えば古くから雑煮のみならず、焼き餅にして食べる、「善哉」や「おしるこ」の中に入れて食べるなど食べ […]

風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む

本日はクリスマスイブでだが、それを過ぎるとすぐに「年越し」が始まる。その「年越し」になると「おせち」とともにいわれるのが「年越しそば」である。「年越しそば」とはいったいどこからきたのかというと、諸説はあるもの少なくとも1814年頃に刊行された「大坂繁花風土記」により定着されたとあるらしい。 「年越し」と呼ばれる年末に限らず、納涼として「そば」があり、即席麺としてのそばであれば一年中食べられている。 […]

ユーロの正体~通貨がわかれば、世界が読める

幻冬舎 様より献本御礼。 昨今までEU諸国では「金融危機」が叫ばれていた。俗に言う「ソブリンリスク」と呼ばれるもので、世界中で国家破綻するのではないかと戦々恐々した。日本でも「日本がギリシャ化する」というような報道が目立ち、政治主張の一つに組み込まれることさえあった。 しかしこの「ソブリンリスク」から端を発した「ユーロ危機」とはいったい何なのか。もっと言うと「ユーロ」「EU」「ヨーロッパ」そのもの […]

僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか~絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

昨日衆院選が行われ、自民党が2009年以来3年ぶりに政権を奪回する結果となった。安倍政権の復帰もあり、来年もまた嵐の呼ぶ国会が開催されるのだろう。 国会に限らず、新聞や雑誌などのメディアでは「~叩き」が横行している。「~叩き」は今も昔も行われているのだが、昨今では「言葉狩り」の如く、一挙手一投足気に入らなければすぐ「叩く」ような有様である。「出る杭打たれる」という言葉があるのだが、その打ち方も穴に […]

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

「もんじゃ焼き」と言えば、「月島もんじゃ」というほど月島のもんじゃ焼きはあまりにも有名である。個人的にも「もんじゃ焼き」といえば東京名物という固定観念を持ってしまう。 その「もんじゃ=月島」という構図がいかにしてできあがったのか、そして「月島」と「もんじゃ」は時代とともにどのような変化をたどっていったのか、本書を見てみよう。 第1章「月島のルーツ」 「月島」自体は江戸時代に存在しない。明治20年に […]

真っ当な野菜、危ない野菜 ~「安全・安心・おいしい」を手に入れる賢い知恵~

八百屋やスーパーなどで売られている野菜、その野菜の中には「真っ当」なものから「危ない」ものまで溢れているのだという。 ではこの「真っ当」と「危ない」の基準はどこにあるのだろうか。そして「真っ当」な野菜が少なくなった理由とはいったいどこにあるのか、処方箋はあるのか、本書は農業そのものの現状とともに提言をしている。 第1章「農業の産業化で失われた4つのこと」 簡単にいえば、「真っ当」と呼ばれている野菜 […]

同期生~「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年

仕事の世界にしても、本書にある漫画の世界にしても、あるいはそれ以外の世界にしても「同期」はある。しかもその「同期」は親友にも戦友にもなりやすくある。 本書は毎年行われている「りぼん新人漫画賞(以下:新人漫画賞)」の第一回入賞者の3人が、それぞれの漫画観と同期たちの思い、そして編集者との出会い、そしてそれぞれの人生について綴っている。 第一章「一条ゆかり」 「砂の城」や「有閑倶楽部」をはじめ少女コミ […]

今、原子力研究者・技術者ができること

2011年3月11日に起こった東日本大震災を引き金とした「福島第一原発事故」により、日本、ひいては世界中で「脱原発」の気運が高まった。12月に行われる衆院選でも各政党のマニフェストは異口同音ながらも「脱原発」を掲げている。 わたしもゆくゆくは「脱原発」はした方がよい考えであるが、それ以前に「原発」とは何か、そのために原子力研究はどうするべきかを考える必要があるのではないかと考える。毒をもって毒を制 […]