CATEGORY

社会

日本農業の底力~TPPと震災を乗り越える!

洋泉社様より献本御礼。 日本の農業は今、危機にさらされている。日本の食料自給率は平成22年現在でカロリーベース39%(農水省発表「食料自給率の推移」による)、さらには東日本大震災により、東北地方を中心に農業の生産高はかなり落ちており、食糧自給率は落ち込むことはほぼ確実視されている。そう考えていくと農業は衰退の一途をたどっているように思えてならない。では、農業の衰退している本当の理由はどこなのか。或 […]

サラリーマン誕生物語~二○世紀モダンライフの表象文化論

今となってはほぼ「あたりまえ」の存在であるサラリーマン、かく言う自分もサラリーマンのはしくれであるが。サラリーマンはいつごろ誕生し、どのような背景があったのか、そしてサラリーマンそのものがどのように進化していったのか、本書は現在のサラリーマンの原型を映し出している。 第一章「通勤電車に乗る」 通勤電車と聞くと大概は満員電車にすし詰めの状態で通勤、仕事終了後の帰りも同様の状態になり、そして家に帰る頃 […]

めざすは貧困なき世界―政府と市民の国際開発協力

日本における「貧困」と世界における「貧困」は異なる。日本における「貧困」は、「格差問題」などの所得や雇用によるところから生じるものであり、世界は戦争における難民など、もしくは強固な資本主義や独裁主義などから生じるものである。もっともよく似ている意味合いであるが、貧困の「質」そのものに違いがある。 本書は世界的にも「貧困」をなくす機関を担う「国際開発協力」の活動について紹介するとともに、「貧困」その […]

若者の労働運動―「働かせろ」と「働かないぞ」の社会学

昨今「貧困」や「格差」に関して中心に挙げられているのは私達若者世代である。そういった世代の労働運動も昨今耐えないが、その意見は二部している。本書のサブタイトルにあるのだが、かたや「働かせろ」というもの、かたや「働かないぞ」としているものその二つが挙げられる。本書では昨今の若者労働事情、そして労働環境の変化、そして労働に関する考え方の変化について社会学の観点から考察を行っている。 第1章「労働社会の […]

ひきこもりと大学生―和歌山大学ひきこもり回復支援プログラムの実践

「ひきこもり」と呼ばれた現象は1970年代から叫ばれはじめ、1990年頃には社会問題にまで発展した。そのひきこもりを解消すべく、行政・民間問わず様々なプログラムがあるが、本書もその一つであり、和歌山大学が1991年から引きこもりにまつわる研究を行い、2002年に開発した引きこもり回復支援プログラムについてまとめている。 第一章「ひきこもる若者」 なぜ若者は「ひきこもる」のか。 その根本原因は第五章 […]

すごい和食

今でこそ「日本食」は世界的にも認知されている。しかしそれを生み出した国である日本では、日本食離れが著しいという。その一方でアンチエイジングやダイエット効果などが解明されており、再評価の動きも出てきている。 本書は「絶倫食」でおなじみであり、「食の冒険家」として知られる小泉武夫氏が和食の凄さについてコラムとともに力説を行っている。 第1章「和食はこんなにすごい!」 日本人は「水」と「粒」を食べる民族 […]

日本でいちばん簡単な年金の本

数年前から年金についての改革が始まったが、その変化が最たるものとして2013年に厚生年金の受給年齢が変わり始めるのだという。これについては先日書評した「2013年、日本型人事は崩壊する! 企業は「年金支給ゼロ」にどう対応すべきか」で取り上げられているためここでは割愛する。 それだけではなく「年金」について不明な点、見えない点がおいと言われているが、本書は年金についての基本的なところ、もしくは見えな […]

奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」

2011年3月11日 午後2時46分 宮城県沖を震源とした地震が起こった。その地震による津波は我々の想像を遙かに上回り、それにより約3万人以上の犠牲者を出した。 宮城県石巻市もその甚大な被害を受けた地域の一つである。「水の都」と呼ばれた石巻市はこの地震で美しい景観を失ってしまったが、そこで立ち上がる方々もいた。本書は石巻市で生まれ育った奇跡のボランティアを投影している。 第1章「「水の都」が消えた […]

デフレと超円高

現在では小康状態になったとはいえ、昨年末には1ドル76円を上回るほどの「超円高」の現象が起こっている。その原因はヨーロッパの財政危機によりドルやユーロの価値が失われたところにある。 円の価値が高まりつつある日本であるが、経済は逆に下り坂の一途をたどっている。リーマンショックから立ち直りかけたつかの間、東日本大震災や先述のヨーロッパの財政危機などの二重苦と呼ばれる状況にある。 本書は超円高によるデフ […]

危険学のすすめ

著者は「失敗学」であまりにも有名である。先日も福島第一原発事故に関する第三者機関「事故調査・検証委員会」の委員長に指名されたときには、報道で「失敗学で有名な~」といわれるほどである。 その失敗学から派生してできたのが、「回復力」や本書で紹介する「危険学」である。 この世はまさに「危険」と隣り合わせであるが、本書はその「危険」とはいったい何なのか、そして社会のためにどのように役立つのだろうか、回転ド […]