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生物学

協力と罰の生物学

生物が生き残るためには「競争」は必要なことである。その一方で「罰」というのはいったいどのようなものがあるのだろうか、というのが気になってしょうが無い。本書は生物の競争における「協力」の姿と、「罰」の姿について描いている画、前者は動物と動物、植物と動物など挙げるだけでも枚挙に暇が無いのだが、代表的なものを取り上げている。 後者の「罰」はある事をすることで喰らうのだという。実際に人間でもそういった事を […]

美の生理学―人はなぜ美しさを求めるのか

「生理学」と言う学問はあまり聞き慣れない。むしろ本書に出会うまでは一度も聞いたことがなかったと言っても過言ではない。そもそも人間として「生理」というのは必要なものであるが。けっこう女性の意味合いで取られることが多い。本来生理は辞書で引いてみると、 (1)生物体の生活現象と生活原理。 (2)月経。(「広辞苑 第六版」より) とある。本書はその中でも(1)の意味を求める学問だが、その生理学は「美」と密 […]

東京 消える生き物 増える生き物

日本にはいろいろな場所があり、場所によってはそこでしか見られない生き物も存在する。喧騒に囲まれた東京とて例外ではない。東京には高層ビル街の中で、あるいは池や住宅地の中でたくましく生きる生物もいる。本書は東京に住み着いた生き物、東京を狙う生物、東京で増え続ける生き物など「東京」と「生き物」にフォーカスを当てている。 第1章「大都会で生き残るには」 東京と言ってもいろいろとある。例えば多摩や小平と言っ […]

動物たちの反乱

今となっては鳴りを潜めているが、高度経済成長から失われた10年あたりくらいまでは郊外の「再開発事業」により、森や山といった自然が切り崩され、自然破壊・生態構造の崩壊が起こった。特にシカの食害やクマの出没などが地域ニュースなどに取り上げられ話題となるほどである。 かつては人と動物はともに共存をしており、「ギブ&テイク」の関係で成り立っていたのだが、その関係がいかにして崩れ、「敵対関係」と見ら […]

錯覚学─知覚の謎を解く

皆さんは「錯覚」を覚えたことがあるのだろうか。 私も普段の生活の中で「錯覚」を覚えてしまうようなことは度々ある。それは何気ないところにもあるのだが、科学雑誌で「錯覚」を覚えさせられるような本もあり、それで錯覚を呼び起こしてしまうこともある。 その「錯覚」はいったいどこから来ているのだろうか。その「錯覚」によって日常生活においてどのようなリスクを生じてしまうのだろうか。本書はそれらについて論じている […]

フグはフグ毒をつくらない

フグと言えば高級食材として、「てっさ」「てっちり」などの料理が存在する。 その一方で「テトロドトキシン」と呼ばれる「フグ毒」が肝臓に存在するとよく言われる。 しかしフグと一重に言っても様々な種類があり、また「フグ毒」も様々な生物に存在していることが明らかになった。 本書はフグ毒とフグの関係、そしてフグ毒の使い道について「フグ毒=フグ」という常識を取り除きつつ、解明している。 第1章「フグ毒はどこに […]

自然はそんなにヤワじゃない―誤解だらけの生態系

人間の自然破壊は止まらない。さらに言うと様々な生物が「絶滅危惧種」に指定され、本当に「絶滅」した生物も存在する。このままでは自然環境における生態系も崩壊しているのではと危惧する識者も存在する。 しかし本書のタイトルにある通り、人間が思っているほど自然はヤワなものではなく、かつ生態系も容易に崩壊するものでもない。ましてや生態そのものも誤解しているのだという。 本書はその生態系の誤りについて指摘しつつ […]

虫と文明~螢のドレス・王様のハチミツ酒・カイガラムシのレコード

冬の寒さが徐々に和らぎ、ソメイヨシノも満開になり、本格的な春の季節となった。これから冬眠した虫や動物も目覚め、活動を始めることだろう。ちなみに私は虫が大の苦手であるため、辟易してしまう。 とはいえ、虫が活動するシーズンはありとあらゆるところで人の好奇心や感情をそそる。それは少年時代に昆虫採集をしていたかのように。 その虫たちは文明とともに生き延びていった。むしろ人間と虫との共生があったからでこそ、 […]

猫の品格

普段はあまりいわない話であるが、私は大の猫好きであり、それも野良猫がくると必ず鳴き声の声真似をして振り向いてくるのを楽しみにしている。たまに近づくことがあればその場を離れずじゃれあうこともある。 私事はここまでにしておいて、猫好きの人は野良・ブランドの違いはあれど、好きな人がおり、実際に飼っている人もいる。本書のいう「猫の品格」とはいったいどのような事をいっているのか、そしてどの猫の事を言っている […]

昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ

「昆虫」というと、小さい頃の夏休みには昆虫集めにはまった人も少なくないだろう。私はどうか、というと小さな虫でも身をよじるほど虫が大の苦手であったため、昆虫集めはやったことがなかった。 そのような自分が本書を紹介するのもおこがましいが、本書は昆虫の進化と特性、さらには今日の環境問題の関連について考察を行っている。 第1章「昆虫とはどんな生物か」 「昆虫」と一括りにしてもいろいろいるのだが、生物学上で […]