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生物学

ツバメのせかい

季節外れの一冊であるが、毎年私の住んでいる鎌倉にはツバメがやって来て、近くの所で巣を作る。中には店の所で巣をつくり、「ツバメがいます」といった看板も目立つようになる。ツバメが飛び、エサを集めて、雛鳥に分け与える姿は何ともかわいい。 本書はめくるめくツバメの世界について取り上げているのが本書である。 第1章「ツバメが聴いている音」 ツバメは身近な鳥である一方で、何かと謎が多い。そもそもツバメはどのよ […]

知りたい! ネコごころ

ネコという生き物は不思議な生き物である。私自身はネコを飼ったことはないのだが、ネコは好きで、地域ネコがいると振り向かせようと何かと試みたりする(とはいえどエサで釣ったり、じゃれぶんやまたたびを使うことはない)。その時の反応を見るのが何よりの楽しみである。またニュースやYouTubeチャンネルでもネコを題材としたものが多く、それを観ることも多々あるため、それらを観るだけでも日頃の疲れが吹っ飛んでしま […]

ウンチ化石学入門

本書のタイトルを見て「クソの役にもたたない」と思っていたら大間違いである。その時代で生きている動物たちはどのようなものを食べてきたのか、そして生物そのものの生態や歴史を知ることができ、蘊蓄(ウンチく)を学ぶことができる一冊である。 第一章「生痕化石とは何か?」 もっともウンチの化石も存在しており、それを総称して「生痕(せいこん)化石」と呼ばれている。「生痕化石」とは、 古生物の行動の痕跡が地層中に […]

サリドマイド 復活した「悪魔の薬」

この頃新型コロナウイルスに関して治療薬やワクチンの開発がドンドンと進んでおり、国産の治療薬やワクチンの開発もそろそろ佳境を迎えていると言う話を聞く。治療薬などを含めた薬の開発は著しいのだが、薬の中には、中には薬の中でも好ましくないような分類に当たるようなものも存在する。 本書で紹介するのはサリドマイドであるが、薬、もとい化合物として知る方もいることだろう。むしろネガティブな意味で知られるケースも少 […]

カイメン すてきなスカスカ

動物には本当の意味で様々な種類があり、中にはわたしたちの知らない種類まで及ぶ。本書で紹介する「カイメン」は聞いたことがないのだが、どこかで聞き覚えのあるような名前のように思う人もいるかも知れない。本書で紹介するのだがいわゆる「海綿動物」そのものである。 第1章「ヒトとカイメン」 実はこの海綿動物は人との関わりも深く、特に家事を行っている方々であればなじみ深いスポンジがその一種としてある。今でこそプ […]

新版 ウイルスと人間

日本では新型コロナウイルスの第5波が収束を迎え、第6波が来ることが予想される。それに向けて私たちは様々な準備を行っているが、果たしてくるかどうか自体もまだ謎である。 新型コロナウイルスに限らず、「ウイルス」は様々なものがあり、ちょうど100年前のスペイン風邪、さらにはSARSやMERSといったウイルスも蔓延したことがある。またこれから起こりうるだろうとしてるものとして毎年であるのだがインフルエンザ […]

新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学

そもそも動植物などの「生物」において、様々な「分類」がある。例えばライオンやトラは「ネコ科」と言うような大まかなものから、そこから○○属というように、細かい分類を行う事もある。 その分類を司っているのが「分類学」であり、新種が発見されると、どこに分類するのかどうかの議論が行われ、分類されていく。ではどのようにして分類学は発展され、なおかつどのように変わっていくのか、新種の発見の歴史と共に紐解いてい […]

タコの知性 その感覚と思考

タコは料理でも多用されるのだが、独特の食感と姿で苦手とする人も少なくない。そう考えると好き嫌いの分かれる生き物とも言える。 しかしタコとひとえに言っても、種類は多様であり、本書で取り上げる沖縄でも実に多種多様であることがよくわかる。そのタコの能力や感覚、さらには社会性に至るまでタコを隅から隅まで調べ尽くした一冊が本書である。 第一章「タコのプロフィール」 まずはタコのプロフィールを調べるために、タ […]

歌うカタツムリ――進化とらせんの物語

本書が取り上げる時期としては、内容としてちょっと時季外れの作品と言えるかもしれない。本書で取り上げる「カタツムリ」はどちらかというと、梅雨の時期によく出くわす虫である。その「カタツムリ」がどのようにして「歌う」のかが本書のタイトルを見て気になるところなのだが、そもそもカタツムリの生態とは一体どのようなものなのか、謎が多い生物でもある。その謎を本書にて解き明かしている。 1.「歌うカタツムリ」 「カ […]

生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像

本書のタイトルを見ると、一見びっくりしてしまうのだが、そもそも動物が生きて行くに当たり、脳や細胞などの信号を送ると言った所がある意味デジタルな部分がある。そう考えると本書のタイトルはまさにその通りとも言える。「その通り」という部分は先述の通りであるのだが、本書はそこからさらに細胞の運動などをもとに深掘りを行っている。 第1章「ゲノム―三八億年前に誕生した驚異のデジタル生命分子」 遺伝子情報そのもの […]