CATEGORY

自然科学

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

「今日の勝利はたまたまだよ」 この言葉はスポーツやギャンブルなど「勝負」の世界で良く聞く言葉である。確率論として低い場合に、こういった「たまたま」と言うのがある。しかしこの「偶然」にも必ず「確率」や「統計」はある。私も大学では確率や統計を専攻していたが「偶然」や「奇跡」という言葉を信じるのはこのためである。 十分あり得るだから出こそ、「統計」や「偶然」という言葉の働きを知る必要がある。折しも「日経 […]

日本の医療制度 ―その病理と処方箋

日本の医療制度にまつわる問題は様々である。一つには「医師不足」、「新薬遅れ」、「混合診療」などが挙げられるが、本書ではその中から特に「新薬遅れ」「混合診療」について日本における問題の全容と海外での対応を考察している。 「新薬(承認)遅れ」は最新医療という観点では私たちの生活と直結している所は多い。しかしよくよく考えてみると日本の薬事的な事柄が多い要因として、「安静」と言った長期的な治療を行わず、な […]

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!

本書のタイトルを見て少し驚いた。というのは蛇やトカゲが脱皮するのはわかるが、カエルも脱皮すること、そしてその皮を食べることに、である。生体の神秘はつくづくおく深く、かつ面白味を感じてしまう。 本書はカエルばかりではなく、ヤギ、カニ、カラス、イタチなど様々な動物の行動、そして人間の奇怪(?) な行動に至るまで面白おかしく考察を行っている。 「ヒキガエルも脱皮する、そして皮を食べるのだ」 本書のタイト […]

寿命論―細胞から「生命」を考える

人間にも例外がないように、動物・植物などありとあらゆる「生きる」ものには「寿命」が存在する。しかし生物によってはわずか数秒で寿命を迎えたり、あるいは「鶴は千年、亀は万年」という言葉の如く長生きする。 本書は「細胞」という観点から寿命のメカニズムに迫った一冊である。同時に神話における人物の寿命についても述べられており、旧約聖書における人物の中では900歳台まで生きた人物(ノア・アダム・メトセラなど) […]

家族という視点―精神障害者と医療・福祉の間から

本書は精神障害者を持つ家族を医療や福祉など様々な観点から描いた一冊である。21世紀は「心の世紀」と呼ばれるが如く、精神障害者を抱える家族は増えていくことだろう。その中で普段ある生活に戻すためには、もしくは、精神障害とのつきあい方をどうしたらよいのか、本書は精神障害者を抱える家族のライフストーリーを基に、精神障害について、そしてそれに対するケアに至るまで考察を行った一冊である。 第一章「精神科医療と […]

命の値段が高すぎる!

「命の値段」とは何なのかというと、簡単にいうと「医療費」のことをいっている。医療費をつぎ込むことにより自分、もしくは他人の命を持続させるということから「命の値段」と形容している。 しかしその医療費もだんだん高くなっている。医療の高度化、さらに国から捻出される医療費が削減されることによって国民負担額が増額の一途を辿っている。 本書はそのような医療の現状について、なぜそうなったのか、そしてこれからの医 […]

やさしい精神医学入門

精神医学が認知されだしたのはごく最近のことである。この言葉が使われ始めたのは19世紀になってからであるが、実際に精神分析が行われるようになった時は1850年頃、それ以降、ブロイラーやフロイトなど精神分析の権威も生まれてきた。 日本では精神科という医療のカテゴリーができた1950年あたりに形作られたが、東京裁判において思想家の大川周明が精神的疾患(後に梅毒と判明)により免罪となった所を考えると戦前・ […]

大人の算数

「大人の・・・」はある意味危険な響きの様に思える。 タイトルの感想は置いといて、かつて学校で学んだ算数の授業があるが、現在の社会において役に立つとは言えない。しかしそういう時代だからでこそ、学校で学んだときの算数や数学を解いてみると新たな発見をすることが多い。本書は「毎日小学生新聞」で連載されていたものを書き直しながら、大人のために、新たな発見を見いだすための算数の授業を展開している。 第1章「直 […]

先端医療の社会学

医療技術の進化は著しい。特に最新鋭の医療を駆使して病を治療する技術のこと、そして最近叫ばれている病を治療する技術のことを「先端医療」という。医学に関して「時代の最先端」を行くという観点からも「先端医療」と解釈することができる。 「先端医療」と「社会学」、医療にまつわることであれば社会背景や倫理は避けて通れないほど共通性が強く、技術論や学問としての「医学」では罷り通れないことが多い。本書は接点の強い […]

脳と性と能力

「男性は女性の気持ちは分からない」 その逆もあるという。元々男女の傾向も違ってきており、女性はどちらかというと共生、男性は競争と言った言葉がよく似合う。 先週の水曜日に「ひみつの学校」という勉強会に参加したのだが、そこでは「感性トレンド」ばかりではなく、男性と女性の脳の違いについて取り上げられていた。 男性と女性の脳の違いを一慨であれば、定義づけられるものの、男性も女性も性格は様々であり、決めつけ […]