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美術

ジョルジョ・モランディ-人と芸術

有名な画家というと数多くいるのだが、20世紀に入って代表する画家というと一握りしかいない。またその中には美術の造詣が深くなければ知ることがなかった人物さえもいる。本書で紹介されるジョルジョ・モランディはどちらかというと後者といっても過言ではない。モランディは画家であるのだが、静物画をこれ以上ないまでに追求してきたと言われている。モランディは具体的にどのような絵を描いてきたのか、そのことを取り上げて […]

「写楽」問題は終わっていない

江戸時代を代表する絵の一つとして「浮世絵」がある。その浮世絵を描いた人物として代表的な人として「東洲斎 写楽(とうしゅうさい しゃらく、どうじゅうさい しゃらくとも読む)」がいる。しかしその写楽は生没年不詳であり、どのような人物なのか全くと言ってもいいほど謎に包まれている。この写楽の存在は今日まで議論の的となっていったが、現在でこそ斎藤十郎兵衛(さいとう じゅうろべえ)が有力とされているのだが、本 […]

乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる

私自身「絵画」はあまり観ないのだが、絵画を観るとうまいというよりも、その絵の中にのめりこんでしまい、絵に込まれている表現やメッセージに溺れるような感覚に陥ってしまう。そのことから色々な絵画を観るとなると様々な視点が存在する。本書の著者はアイドルグループ・スマイレージの1人であるのだが、大の絵画好きで、なおかつ大学でも美術を専攻しているという。その著者がどのような絵画を魅入ったのかを取り上げている。 […]

「モナリザ」の微笑み

世界的な名画であり、イタリアの画匠であるレオナルド・ダ・ビンチの代表作の一つとして「「モナリザ」の微笑み」が挙げられる。その「モナリザ」はダヴィンチの友人の妻が「モナリザ」だったことから作品名が「モナリザ」になった。 「世界的名画」として取り上げられる「モナリザ」だが、「微笑み」をはじめとした多くの「謎」が残されている。本書では「モナリザ」を巡る謎の数々について取り上げている。 Ⅰ章「モナリザは微 […]

美女の骨格 名画に隠された秘密

「美人」と考えるのは人それぞれである。「人それぞれ」である理由は個人の価値観もあれば、美的センスもある。本書における「美人」はあくまで一般的な意味で「美人」である。その「一般的」という理由は「解剖学」や「認知科学」という意味で学問的な観点から指している。一般的な美人について本書では「美術解剖学」というユニークな学問で考察を行っている。 第一章「美しさの秘密は“骨”にあった」 本書のタイトルは「美人 […]

哲学者クロサキの哲学する骨董

私たちの世代だと「骨董」というとピンとこない人が多いかもしれない。何せ美術品などの「物欲」そのものが薄れてしまっている。 しかし「骨董」にかぎらず美術・芸術のものには、言葉にできないほどの「美しさ」がある。その「美しさ」に魅入り、さらに骨董を集めるようになる。 「骨董」を哲学すること。その「骨董」に魅入ることのできるメカニズムを本書では解き明かしている。 第一章「骨董と美」 「美しいものは美しい」 […]

印象派の誕生―マネとモネ

フランスでは19世紀中頃に「印象派」というものがあった。代表的な人物として挙げてみると、本書の副題にあるマネとモネ、ゾラ、ルノワールと枚挙に暇がない。クラシック界でも同じように「印象派」があり、ドビュッシーやラヴェルが活躍した。本書は印象派の研究の中でもマネとモネの比較を中心に「印象派」によって美術の趣がどのように変わっていったのかを考察している。 第1章「印象派の成り立ちを見てみよう」 印象派が […]

西洋陶磁入門―カラー版

日本の陶磁器についても、土器や茶碗など様々な歴史的にも重要なものは数多くある。本書は所変わって西洋の陶磁器をもとにして古代から中世、そしてルネサンスの時期から18世紀に至るまでの陶磁器を紹介しながら、陶磁器における歴史的な意味合いも取り上げる。 第Ⅰ部「古代・中世」 古代や中世において、陶磁器は歴史的な意味合いがあるのだが、陶磁器そのものよりも、陶磁器に描かれている絵画が重要な意味を示している。古 […]

芸術とスキャンダルの間

2006年5月に芸術選奨を受賞した和田義彦の作品が、イタリアの画家アルベルト・スギの作品と酷似したことによって芸術選奨をはく奪されたという盗作事件がメディアで話題となった。それに限らず戦後では多くの美術にかかわる事件が相次いでいる。本書はその中から代表的な14の事件を取り上げられている。 私が注目するのは最後のパロディ作品と著作権に関してのことである。そもそも著作権は音楽や動画でさんざん批判してい […]